「新工場建設」
御縁と援助で香取市に
創業120周年に向けての3つの目標
当社は埼玉県草加市でチョコレート、焼き菓子などのOEM生産を行っている従業員約200名の会社です。今回は2020年9月稼働予定の新工場建設のお話をさせて頂きます。2011年東日本大震災が起きた翌月に当社は創業110周年を迎えました。記念事業として草加工場敷地内に4階建ての草加東工場が竣工いたしました。その竣工式で私は次の創業120周年時の目標を発表しました。①120周年記念を無事に迎える事。②菓子に関する新規事業を行う事。③老朽化した草加西工場に代わる新工場を建設する事。の3つの目標でした。新規事業は小笠原で国産カカオを栽培し『東京カカオ』として発売する事が出来ました。しかし新工場建設は用地がなかなか見つからず月日は過ぎるばかりでした。
新工場建設
新工場は長いラインを入れる事の出来る細長い土地を探していました。地形、アクセス、価格など難題です。多くの情報、ご紹介がありましたが、その中で銀行さんの紹介で小見川産業用地事業予定者募集(公募型プロポーザル)を知り応募しました。千葉県香取市所有の大手企業工場跡地です。プロポーザルに応募し2018年3月に学識経験者数名へプレゼンテーションを致しました。運も良かったのでしょう当社に27000㎡の土地が無償譲渡される事になりました。地元への貢献が期待され評価されたのでしょうが、チョコレート工場という夢のある希少な存在も大きなポイントではなかったのでしょうか。資金の方も紹介して頂いた銀行がまとめ役となり多くの金融機関さん達が協調融資して下さいました。2019年6月に着工し予定通り竣工しました。しかし残念ながらコロナ禍により祝賀会など一切の行事は中止となりました。
新工場建設目的
①施設、設備、検査、保証体制、教育制度など更なる安心安全の為の最新工場としてISO22000取得準備中です。②更なる品質向上、生産性向上の為にすべての生産設備は国内外から新規購入しました。③香取市民の雇用、地元企業との取引、納税、行事へ参加、アウトレットショップ開設など香取市へ社会貢献を行います。以上3点が主要目的です。今後ますます製菓業は安心安全を担保できる生産環境が必要となる事でしょう。また人手不足に対応した省力化ラインも必要です。しかし中小企業は限られた資金しかありません。今回の様に土地の負担を無くし、建物も安価なシステム建築を活用し生産設備に重点的に投資する道を私は選びました。
東京都菓子工業組合副理事長・平塚製菓株式会社代表取締役・平塚正幸