橘本神社でコロナ終息を祈願
第56回銘菓奉献祭開催
菓祖神・田道間守(たじまもり)を祀る和歌山県海南市下津町・橘本神社(前山和範宮司)の「春祭・菓子祭・第56回全国銘菓奉献祭」が4月5日(日)午前11時から行われた。今年はコロナウイルス感染拡大防止に向け、神事の内容が縮小された。晴天に恵まれ満開の桜の下、テントを使用せず席を離すなど安全対策を図っての斎行となった。恒例の餅投げや直会も中止となる中、全国のメーカー179社が菓子を奉納、約50人が出席の下、業界の繁栄を厳粛に祈願した。
奉献祭は地元氏子の進行で開式。国旗掲揚、太鼓の音に始まり、古式にのっとり修祓、宮司一拝、開扉、献饌と進み、祝詞奉上では菓子奉納のすべての業者名が読み上げられた。「浦安の舞」の奉納に続き、お菓子の町海南市のイメージキャラクター「海ニャン」が紹介された。玉串奉奠では、橘本神社氏子総代をはじめ、和歌山県菓子工業組合駒井良章理事長、大阪から出席の大阪府生菓子協同組合井上源造理事長、中島正輝氏(亀屋茂廣)と続き、関係者全員が執り行った。祝電披露、撤饌、閉扉、宮司一拝で神事を終え、太鼓の音で幕を閉じた。
祝辞に進み、海南市・神出政巳市長、「DAGASHIで世界を笑顔にする会」代表理事の秋山秀行氏のご挨拶を経て最後に、前山宮司が「コロナウイルスの影響で、卒業式、入学式などが中止になり饅頭などの注文がなくなり、土産物中心とした業者の売上も大きく落ち込んでいる。しかしこんな時だからこそ、神様への感謝を捧げる機会を設けてほしいとの声が多かった。元に戻り、皆さん笑顔で商いができますようにと祈願した。神様も、皆様のお越しをきっと喜んでおられるだろう」と述べ、終了した。なお、今年の10月11日には、10年に一度の田道間守公の式年祭を同神社にて開催する予定をしております。
大阪府菓子工業組合理事長・野村泰弘