各地の菓子店探訪
北海道菓子店の投稿

餅菓子と喫茶 日日

あって当たり前の店に

餅菓子と喫茶 日日 北海道雨竜郡秩父別町。北空知の人口2300人程の小さな町に昨年7月開店しました。

 きっかけは5年程前に妻の母が6次産業として秩父別町で「加工室TABITA」という店舗をしているところに誘って頂いたのが始まりです。当時は農閑期にパンの製造販売をしていました。私達夫婦がきてからはパン・大福の店として通年営業と少し形が変わっての営業となりました。

 現在の「餅菓子と喫茶 日日」となったきっかけは私自身がこの町に来る以前「一久大福堂」で働き、餅菓子の技術を学んでいたこともあり、この町を含めた北空知でも餅菓子を地域の食文化として根付かせていきたいと考え設備を本格化し町内中心部へと新規開店しました。

 当店の主力となるのは3点の原材料です。

 隣町北竜町もち米「風の子もち」・町内うるち米「ゆめぴりか」・美瑛町「えりも小豆」。

岡田実さんと千尋さん この原材料から大福や桜餅・焼き団子・こしあん・粒あん等をできるだけシンプルな材料で手作りでというのがこだわりです。手間もかかるし日持ちもしない商品が多いですが、小さなお店で手作りだから出来ることを続け後々に伝わっていけばと思います。

 人気商品は黒千石大豆をたっぷり使い塩にもこだわり天日海塩を使用した「黒千石塩豆大福」と町内のゆめぴりかを使用してうるち米のまま搗きあげた団子を香ばしく焼き上げ自家製の甘さ控えめの醤油だれをつけた「みたらし団子」です。その他にもお客様に楽しんでもらえるように、苺大福・桜餅・べこ餅・水羊羹等も季節ごとの限定商品として販売しています。

 おかげさまでリピーターや口コミ・SNSを見て来てくださった方をはじめ、お土産にもらって美味しかったので買いに来たという方もいらっしゃいます。当たり前のことかもしれませんがこういった多くのお客様の御来店により営業が続けられているのだと日々感謝しています。また、移転にあたり以前からお客様に「コーヒー出さないの?」とよく聞かれていたこともあって喫茶スペースも新たに設けました。小さなお子様連れでもくつろげる小上がりも含め全14席。コーヒーをはじめ餅菓子はお茶と一緒に食べて頂きたいと考え、試行錯誤を重ね急須で入れて飲むお茶もメニューに加えました。それなりの料金を払ってまでお茶が売れるのか不安もありましたが、3煎目まで飲めるということもあり好評を頂いております。

 コロナ禍により先行不透明で厳しい状況が続きますが、そんな中でも変わらずに商品を作り提供し続け会話も楽しみながら接客・販売を行っていくことで、お客様にとっていつでもある店そして地域にとってあって当たり前の店でいられるように日々楽しみつつも努力を怠らず営業を続けていきたいです。

 北海道菓子工業組合・餅菓子と喫茶日日・岡田実