各地の菓子店探訪
岡山県菓子店の投稿

高梁の四季を「あおやぎ菓子舗」で感じて!

あおやぎ菓子舗 高梁市には国指定需要文化財「備中松山城」があり、天守が現存する〝唯一の山城〟でこれからの季節には雲海に包まれる幻想的な姿を見ることもでき「天空の城」とも形容され親しまれています。

店内風景 「あおやぎ菓子舗」は初代尾藤薫氏により本町に店を構えたが台風で床上浸水に遭い、戦争で材料が手に入らなくなり、店を一時休業したこともある。戦後再開すると、甘い物は人々に喜ばれ現在も代表銘菓の『栗羊羹』をはじめ上生菓子、最中、どら焼き、調布など和菓子全般季節ごとに作って売った。二代目尾藤修章氏は、鶴や亀の絵を描いた羊羹で祝の席にと評判になる。昭和45年に現在の鍛冶町「備中松山城」まで徒歩1時間程の地に店を移転、四季折々の上生菓子、春は柏餅、夏は水羊羹、2カ月ごとに商品のアイテムを入れ替え、ご近所の和菓子屋として親しまれた。昔は栗も生の栗をむいて栗羊羹を作っていたので手間暇かかったと話すのは二代目の奥様。今は三代目尾藤操一郎氏が京都で修行して戻り生どら焼き、いちご大福など若い世代にと新商品に挑戦している。

栗羊羹 今年はコロナ禍で茶会の中止、各種イベントの中止、その上連日猛暑日で人々は外出を控える。店の売り上げは激減!それでもWITHコロナで、少しずつお客様が買いに来てくれるようになり、狭い店内、密にならないようにと、来てくださるお客様が自主的に店の外で待ってくれ備中松山城 土べいる。暑いのに言わなくてもそうしてくれるのでありがたいです。と、店を切り盛りするのは三代目の奥様、良心的なお店で親しみやすく地元の人気店なのがよく分かりました。近くには紺屋川筋、武家屋敷、山田方谷資料館、頼久寺など散策するが楽しいところです。

 岡山県菓子工業組合事務局・谷野美香