各地の菓子店探訪
栃木県菓子店の投稿

虎彦製菓

日光市鬼怒川温泉でお菓子を作り続ける

日光つつみ餅とちおとめ8個入り 虎彦製菓は昭和31年の創業以来、半世紀以上に亘り、ここ鬼怒川温泉で和菓子「きぬの清流」の製造・卸を営んでおります。東京の奥座敷ともいわれる当温泉郷は東京から3時間という好位置ゆえ連日観光のお客様で賑わいを見せる一大温泉リゾートでございます。しかし、このコロナ渦でお客様の大幅な減少、季節の到来を伝える数々のイベントも中止となり、地域全体の活気もなくなり静けさだけが残りました。当菓子組合でも休業に追い込まれる組合員さん達もたくさんあり未だかつて経験したことのない状況となりました。当然作ったお菓子を出荷できず、廃棄になったお菓子があり非常に心苦しい時期もございました。

 それでも「GOTOトラベルキャンペーン」が起爆剤となり、尚且つ10月からは東京都もキャンペーンに加わりなお一層大切なお客様が戻り始めております。観光客に安心してお土産選びをして頂くため当菓子組合も安全安心なお菓子作りはもちろんのこと、地産地消のお土産開発に力を入れてまいります。

 虎彦製菓では苦しい時期の中でもしっかりと前を向き、新商品の開発を進めております。開発だけではなく、既存商品も入数を変え、お客様に合わせた販売も行い「少しでも多くの人にお菓子を食べて頂きたい」という事を考えて製造・販売しています。新商品開発では地産地消を目指し、栃木名産の「とちおとめ」を使った餡をシート状に伸ばした羽二重餅で花びら折に包んだ「つつみ餅」を9月から新発売しております。とちおとめ本来の甘酸っぱさを表現し、とちおとめを存分に感じられるお菓子となっております。たくさんの人に食べて頂き、笑顔になって欲しいと願い心を込めて作っております。

 全国ではまだまだコロナ渦の影響で活気を落としている地域があると思います。全国の観光地が早く元の活気にあふれる事、そしてここ鬼怒川温泉郷も本来の活気あふれる温泉街に戻ることを願っております。木々が色づく紅葉の季節、是非とも栃木県鬼怒川温泉へお越しになり、心身共に温泉でリフレッシュし、願わくは弊社商品「きぬの清流」「つつみ餅」をはじめ、鬼怒川でしか味わえない「食」や「景色」を堪能して頂ければ幸いでございます。

 栃木県菓子工業組合鬼怒川支部・虎彦製菓㈱部長・大橋智樹