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オンラインによる 春季例会開催

〝セレンピア〟の学習

若月理事長あいさつ 2月16日(水)コロナ禍のため昨年に続き本年も「春季例会」はオンラインで開催された。特に今回は多くの方が参加しやすい時間帯をと言うことで午後6時からの開会とした。また、ネットワーク不備、不慣れな方のためにリアル会場も用意された。会場は静岡駅近くの県男女共同参画センター「あざれあ」、併せて行われた勉強会もここから発信された。今年の勉強会のテーマは静岡県及び富士市で補助金制度まで設け普及に力を入れている「セルロースナノファイバー(CNF)」が企画された。これは富士市に研究所のある日本製紙株式会社の製品で木のパルプを原料としたもので工業製品のイメージが強いものだが近年、食品への応用が実施され、すでに県内においても数社で採用されその効能は実証されている。

講師の八木智弘氏 日本製紙㈱からは講師のCNF研究所・八木智弘氏をはじめ関係者4名が出席、プロジェクターを使い説明が行われた。CNF(商品名cellnpia・セレンピア)の機能は①擬塑・チキソ性、②低曳糸性(べたつきなし)、③粘度安定性(低温~高温)、④懸濁・乳化安定性、⑤―1保水性(あんこ)―2保水性(多加水パン)、⑥気泡安定性(蒸しパン)があり、応用としては「どらやき」「カステラ」「パウンドケーキ」「チーズケーキ」「生クリーム」「水ようかん」「あんこ・ジャム」など幅広い。例えばどら焼きでは成形性の安定、保湿性により瑞々しい生地、細かい気泡による食感改善がみられる等。使用量も総重量の0・05%~0・1%と微量であり他の添加物と置き換えることができるメリットもある。使用方法は水溶液にして添加することと、直接、砂糖または小麦粉に混合して添加する方法があるが水溶液の方が効果は大きい、ただし、水溶液を作るジューサーミキサーがある程度、大きいものが必要で課題があり質問の中に水溶液にしたものが販売できないかなどがあった。また、これからの時代、サステナブルな社会が求められているが、その点にも優れた要素がある。材料が木材、それも間伐材であり国内で森林を育てられ、森林は「カーボンニュートラル」を叶えるための重要な役割を担っている。また、非可食性バイオマス原料を使用のため自然食品の保護にもなる。

日本製紙㈱勉強会スタッフ 薮野氏、稲川氏、飯田氏、八木氏 会場ではセレンピア使用のお菓子を試食しながら受講し熱心な質疑応答が行われ、すでに使用されてノウハウの豊かな若月理事長の補足説明も行われた。品質向上に期待の持てる素材であり、社会貢献にも役立つことで、受講者にはサンプルが送られるのでそれぞれの商品に合わせ試行が望まれる。

勉強会会場風景 オンラインについては今回で2回目であるがまだまだ改善点が多く見られた。機会を増やし学習して課題を克服することが必要と感じた。

 静岡県菓子工業組合顧問理事・森田紀

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