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冬の水ようかん

地域に根差した「ソウルフード」

水ようかん 福井では水ようかんは冬の定番和スイーツです。紙箱の平箱に流し入れ切れ目を入れた状態で売られています。箱を傾けてしまい水分が染み出て、箱がびちゃびちゃになってしまったということも福井の人には一度くらいは経験するあるあるかもしれません(今ではパッケージも改良されたものも登場しています)。ふたを開けて水ようかんの上に敷いてあるセロハンをぺらっとめくり切目に沿って木べらですくい上げ口に運びつるんと食べられています。

 福井の中でも「丁稚ようかん」とよばれている地域もあり厚みなど多少の違いはありますが、水分たっぷりで柔らかな口当たりで心地の良いのどごしは全国的に食べられている夏の水ようかんとは一味違う魅力になっています。

 原材料もベーシックなこしあん・砂糖・寒天のほかに黒砂糖が使われていたりオリジナリティ溢れるアレンジが加えてある商品もあります。
 シンプルなお菓子だからこそ、地域で親しまれている名水が使われていたり素材にもこだわった個性豊かな味が楽しめるのだと思います。また味以外にも箱にもお店独自の色合い・絵柄があり、コレクションしている「水ようかん愛好家」なる人もいるほどです。

 さらに売られている場所も和菓子屋の店頭はもちろん、以前は八百屋さんでも広く販売していました。今ではスーパーマーケットに多数のメーカーが並べられており、買い物ついでに1箱・2箱と買い求めていきます。
 県内のとある市町では市内の水ようかんを一堂に集めた「水ようかん祭り」を開催し食べくらべを楽しんでいます。県民は各家庭に「ご贔屓」のお店があるくらい地域に根差したいわば「ソウルフード」になっているのだと思います。

 お正月・年末年始、水ようかんを持って親戚にご挨拶に伺ったり家族で1箱を囲んで食べる姿は、人と人をつなげる「コミュニケーションツール」にもなっていると思います。2024年福井に新幹線が開通します。

 「福井に水ようかんを食べに行こう」と訪れてくださるお客様の「お気に入り」が見つかるようにSNS等で発信していけたらと思います。

 福井県菓子工業組合・御菓子司あまとや・三上景子

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