滋賀県菓子店の投稿
丸八製餡
四代目 松本佑太 氏
今回、滋賀からご紹介するのは琵琶湖の東、東近江市は八日市駅から近くにある大正13年創業の老舗丸八製餡所の四代目松本佑太君(30)です。父で代表でもある貞澄さんと共に県下はもちろん近畿、中部一円に対応しており、現在40の和菓子事業所の製餡を担っている。
丸八製餡所のモットーは安心、安全な美味しいこし餡を届け、近畿でトップクラスの徹底した衛生管理のもと、県内大手和菓子店の基準をクリアしている。
佑太君は幼少の頃から家族の仕事を見て育ち、その頃から将来は自分も継ぐのだろうと何気なく思っていたそうだが、中学2年の頃夢もなく父に継ぐという意思を伝えたが、「そんな甘い考えでは継がせない」と一蹴されたらしい。高校卒業し大学に進学しその後、紆余曲折ありながら大学時代に惚れ込んだバイト先の居酒屋に就職する。
そして結婚を期に夜の仕事で家族の時間を作れない事に悩み、人生における経験も積んだ中でもう一度父と話し合い昔の想いがよみがえり継ぐ決意をする。仕事は力仕事で父の一人でしてきた大変さに気づかされたと言う。居酒屋を2年で辞めた後悔もあったがその居酒屋のオーナーから「一緒にまた繋がり、できる事があればやっていこう」と声をかけられ餡を通して人との繋がり、また和菓子が広がるお手伝いができればと最近は考えるようになったとのことです。自身の性格上、前にでるタイプではないが菓子業界の貢献に少しでもお手伝いできたらと、恥ずかしそうに熱い想いを語っていただいた。
滋賀県菓子工業組合青年部長・河﨑国元