各地の菓子店探訪
埼玉県菓子店の投稿

秩父市 八幡屋本店

地元に愛されて120年

和同開珎最中

 創業は明治35年(1902)。初代が秩父神社の前にて開業しました。

 古代最中を売り出していたが、その貨幣にあやかって「和同開珎最中」と改めて販売したのが戦後間もない昭和21年の事です。

秩父自慢

 八幡屋という屋号の由来は、埼玉県本庄市児玉町の総鎮守・八幡神社の名前から付けたと聞いています。初代は児玉に今もある梅月堂という菓子屋で生まれ、秩父市に来て同じ菓子屋を開業しました。八幡屋の店先にかかげられている「八幡屋本店」という看板の書体は、熊﨑家の菩提寺で秩父札所15番のルーツ鎌倉・建長寺に初代が寄進をしたその御札として建長寺の管長に書いて頂いたものです。

 商品ラインナップとしては和銅最中をはじめとして秩父自慢、秩父ワインゼリー、梟サブレ、清流くずきりなどがあります。ここ数年の一番人気は秩父自慢で自家製の栗あんを包み、上にクルミを乗せてオーブンで焼いたお菓子です。秩父ワインゼリーは地元秩父のワイン「原作印」GKTをふんだんに使用し本格的なワイン風味の強いお菓子です。梟サブレは秩父神社本殿裏にある彫刻の北辰の梟をかたどったバター風味のきいたサクサクしたサブレです。清流くずきりは黒糖、抹茶、梅、メープル、と味がありメープル味は昨今秩父で話題になっている秩父産メープルの元となっている樹液を使用しています。このように創業当時から地元にちなんだお菓子作りを続け、地元のお客様をはじめ観光で秩父を訪れた多くの方に支えられています。

八幡屋本店

 今は新型コロナウィルスにより減少した観光客も徐々に戻ってきつつあり、秩父全体で様々なメディア等に取り上げられて活気が戻ってきつつあります。新しいお店にも負けないように一緒に秩父を盛り上げていきたいと思います。

 埼玉県菓子工業組合理事長職務代行副理事長・小林敏夫

各地の菓子店探訪のサブカテゴリ一覧

各地の菓子店探訪:埼玉県菓子店の過去投稿一覧