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ラーメンの聖地・山形

消費額全国1位を奪還

のぼりを作ってPR

 山形市は総務省の発表する家計調査で1世帯あたりのラーメン消費額が8年連続して日本一でした。しかし2021年、わずか300円の差で新潟市に日本一の座を奪われたのです。

 山形は昔から、ご馳走といえば中華そばです。お蕎麦屋さんのメニューには、ほとんどの店に「中華そば」があり、出前もしてくれるといった土地柄。お客様や知り合いが来て、昼近くになれば「中華そば取ったから食っていけ」と、もてなすのが慣例でした。

 また、山形は最近まで日本一暑い記録を持っていました。暑さゆえ独自に開発された「冷やしシャンプー」や「冷たい肉蕎麦」、「冷たいラーメン」も山形が発祥の地。夏場の消費量が落ちないのもラーメン日本一の所以でもあるのですが、バラエティに富んだ、各店独自の特色のある味を追求し、競い合っています。昼時には行列の出来る人気店が沢山出来ました。当然競合店も多く、切磋琢磨しながら鎬を削り、山形独特のラーメン文化が根付きました。

 その山形市が日本一の座を奪われたのです。それを読売テレビ番組「秘密のケンミンSHOW」が面白可笑しく取り上げてくれたものですから、一躍全国から注視され、山形市民も山形を売り出すチャンスとばかり、日本一を奪い返そうという機運が高まり、官民一体となって一気に盛り上がりました。その後はどこのラーメン屋さんも大変な混みようです。

「ラーメンの聖地、山形市」宣言式

 今年2月7日は、総務省による2022年のラーメン消費額が発表される日。朝から山形市役所はいつもと違う物々しい雰囲気の中、総務省の発表を待ちました。

 市長室で結果を待つ佐藤孝弘山形市長の元へ速報が手渡され、多くの関係者が集まる中で「山形市、1位になりました!」の市長の第一声。関係者はもちろん、山形市民がこぞって歓喜の声を上げ、日本一をたたえ合ったのです。翌日には早速、市長が「ラーメンの聖地・山形」を宣言し、これからも王座に君臨する決意を表明したのです。

 私たち菓子屋もその快挙に、ただ指をくわえて見ているだけでなく、何か行動を起こさねばならないと強く感じた出来事でした。

 とりあえず「ラーメンまんじゅう」でも作ろうか…

 山形県菓子工業組合専務理事・戸田正宏