岡山県産小麦・米粉の増産利用促進の取り組み
現在食料品の生産調達の世界情勢は、異常気象熱波干ばつによりこの10年で10パーセント減少、コロナ危機による物流混乱、米中対立とロシアのウクライナ侵攻による食料サプライチェーンの分断等により厳しくなっています。
また、我が業界の製菓原料も世界情勢による穀物乳製品不足、価格高騰により調達が難しくなり、さらに消費者の地産地消の意識も高まってきています。
そこで岡山県では「岡山県農業開発研究所」を中心に県産小麦・米粉の増産利用促進事業に取り組んでいます。
去る令和5年2月8日に岡山プラザホテルにおいて「岡山県産小麦・米粉を使った試作品評価会」が開催されました。主席者46名、乳業者、製粉業者、JA女性部、JA全農岡山,製菓業者その他いろいろな業界からの参加があり、岡山県菓子工業組合からは8社(金福菓子舗、清風庵、福岡製菓所、くらしき藹然、パティスリーピアジェ、三宅製菓本店、御菓子司板屋、藤屋菓子舗)が参加しました。
試作評価品には9業者が15品を出品して商品の意見交換をおこないました。
具体的な商品としてはシュー生地、バームクーヘン、バッケット、食パン、フランスパン、うどん、おやき、ガトーショコラ、米粉のフイナンセ等が出品されました。
これを見ると米粉、小麦粉がいかに多くの製菓原料として使われているかがわかり、我が業界が生産事業者に協力し、増産利用促進事業に貢献していかねばならないかがわかりました。
意見交換会では、既存製品との食感の違い、風味の違い、粘りの違いその他多くの良い点、悪い点の意見が出されました。さすがに現在の製品は長年の原料選択製造研究により完成された物が多く、その代替の難しさも感じさせられました。
いずれにしてもこれらの課題は研究努力により克服していけるものであり、我が業界のこれから担う役割の大きさを感じられました。
岡山県菓子工業組合理事長・宮武孝昭