イベント開催&レポート
茨城県レポートの投稿

ものづくりマイスターで活動して

和菓子の未来へ携わる

浮島のデモンストレーション

 茨城県の西部、農業が盛んな地に県立真壁高等学校はあります。こちらの高校では複数の専門的な知識が学べるコースがあり、その中の食品化学科の生徒に、厚生労働省から和菓子のものづくりマイスターとして私が派遣されて4年目となりました。

 初めのころは、若い人の和菓子離れを少しでも減らせたら良いな、お菓子関係の就職先(願わくば菓子製造業)に興味を持ってくれればと、思い引き受けました。

 ところが、とても良い意味で毎年、裏切られてきました。それは毎年生徒の9割は和菓子を好きと答えます、授業中もとても真剣に取り組んでいます。こちらも実習するお菓子の予習をしっかりして望まないと鋭い質問が飛んできます。知らず知らずのうちに感覚で行っていた作業をしっかりと理論的に説明できるようになることで、自分自身の技術の向上にもつながりとても良い相乗効果を得られています。

実習風景

 その他にも、毎年のように和菓子甲子園にも挑戦しています。その中には、考えが溢れて次から次へと菓子が変化しているグループもいれば、募集期間中に自分の考えが形にまとまらず断念せざるを得ないグループもいました、(仕事の合間に可能な限り相談にはのりたいがどこまで口を出していいものか、いつも悩ましいと思っています)和菓子甲子園に関しては生徒側からの視点を持って、応募に踏み切れない生徒達にもっと積極的なアプローチをしていければ良いなと考えています。

 このように生徒達のなかに入ってみると思っていたよりも「和菓子が好き」ということがわかり、更には青春の想い出の1ページに加えて貰えるようなイベントに和菓子甲子園がなれたら嬉しいかぎりです。

 今年度最初のマイスター実習は浮島を取り上げて欲しいとの要望でしたので、栗入りの二色浮島を作ってみました。和菓子でも見た目は少々洋菓子みたい、食べてみると小豆の風味がしっかりする、生徒達からするととても不思議な様で興味も持ってくれてとても良い授業となりました。見本として先に製作した浮島は試食として出したらすぐに生徒達の胃の中に消えてしまいました。授業も終わりの頃には次回の事を聞いてくる生徒もいました。色々な形で和菓子の未来へ携わっていけたらと思っています。

 茨城県菓子工業組合筑西支部長・海老澤満

イベント開催&レポートのサブカテゴリ一覧

イベント開催&レポート:茨城県レポートの過去投稿一覧