各地の菓子店探訪
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孝行息子の作り方

〝笑顔の力〟再認識

ハロウィン母

 積極的な笑顔は相手の笑顔を引き出し、周囲の空気を明るくし、その温かい雰囲気に惹かれて人が集まる。〝笑顔は商売繫盛だ〟と聞いたことがある人は多いと思いますが、少し違う視点で笑顔の力の話をしたいと思います。なので、理解しづらい話かもしれません。

 8年前にこの店を開業し、以来うちの母には朝から晩まで店に立ってもらっています。うちの母はよくお客さんに「親孝行な息子さんですね」と声をかけられます。が、息子の僕としましては、そんな事はないなあと。70歳を過ぎた母にはめちゃくちゃ働いてもらっていますし、週6で働いてもらっていることを知人に話すと白い眼を向けられます。叔母には「70歳を過ぎたら週3!」と言われています。それでもお客さんから見ると孝行息子に見えるようです。ふとそんな話になった時の母のひと言が僕に気づきをくれました。

孫と

 「私がいつも笑顔だからだよね。いつも笑っているから、幸せそうに見えるんでしょう」確かに、と思いました。親孝行な子供に見えるかは、子供の普段の態度よりも、親の表情によるものなんだと。母がいつも笑顔だから楽しく働いているように見えるし、従業員同士が仲良く見えるし、僕は孝行息子に見えるんですって。人は笑顔でいれば幸せそうに見えるんですって。その通りだと思いました。その時の母の言葉に〝笑顔の力〟というものを再認識させてもらいました。いつも笑顔でいることで、周りの人は、この人幸せそうだな、良い雰囲気の店だな、と感じてくれる。それが作り笑顔であろうとも。いや、作り笑顔だからこそ価値がある。作り笑顔には目の前の人のために笑顔であろうとする意志が籠っている分、自然な笑顔よりも価値がある。

 今は店員の愛想がないだけで星1を付けられてしまう世の中です。低評価を回避すると同時に、多くの事が円滑に動き出す作り笑顔。試してみてください。自分がどのように相手から見られたいのか、意識してみると意外と簡単に作れます。ちなみに僕は全然楽しくない新年会でにこにこしてたら「神田君、楽しそうだね」と声をかけられました(笑)

 埼玉県菓子工業組合・神田武治

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