親子二代の夫婦で切り盛りする昔ながらの和菓子とおやきのお店
長野県の県庁所在地、長野市の駅前で昔ながらの和菓子や、郷土料理のおやきを作る誠心堂というお店を営んでおります。創業は昭和七年で、お客様に支えられ今年で九十二年を迎えました。創業当時の長野市は善光寺周辺が商店の中心地として栄えており、後に駅前商店街となる南千歳町は鉄道の倉庫街で、住宅も多く善光寺の下町でした。その頃から、下町ならではの大きいのに安くて美味しいお菓子やおやきを作っていたそうです。長野駅が創設されてからは善光寺への玄関口として様々な商店が軒を連ね、商店街として発展していきました。
今、お店を切り盛りするのは三代目の阿部正志・春美夫婦と四代目の裕太・あずさ夫婦の二代の親子夫婦が四代に亘り繋いできた味や教えを守り、様々な工夫をしながら今でも全てのお菓子を手作業で作ってます。
先代から受け継いだ味を落とさず作り続ける事は勿論ですが三代目夫婦は、そのままお盆に並べられていた大福餅やお団子などの朝生菓子にひと手間をかけ、個包装する事で綺麗に並べ品物に清潔感を出す事で、昭和から平成への新しい時代に対応したお店作りを実践してきました。
四代目が継いでからは、三代目と協力しフルーツ大福やわらび餅、あんバタどら焼きなどの新しい時代に人気のお菓子の種類を増やしました。また、FacebookやInstagramなどのSNSへおすすめ商品を投稿する事で、情報に敏感な若いお客様へのアプローチをし、電話以外にメッセージでもご注文や問い合わせを頂けるようになりました。
しかし、時代と共に工夫を凝らす一方、変えていないのがお菓子の作り方と材料です。今ではすごく高度に研究された材料が豊富にあり、大福餅やお団子なのに日持ちがして全国へ発送ができたりと、すごく工夫されたお菓子がたくさんあります。
先代の教えの中に、材料の質を落とさないという教えがあり、私たち後継者もその教えを守っています。それは、先代の作るお菓子はどれも美味しく、大好きだからです。
今も変わらず誠心堂のお菓子とおやきは無添加で日持ちがしないため、発送や卸しを一切やらずに店舗で毎朝きちんと製造し、作りたての美味しさを販売する事に拘っております。
これからの時代も屋号の通り、作りたてのお菓子を皆様にお届けできるよう誠心誠意努めたいと思います。
長野県菓子工業組合・有限会社誠心堂・阿部裕太