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能登半島地震のさきに

被災者の心の支えになる活動

和菓子を学ぶ授業

 まずは、能登半島地震で被害にあわれた方々のいち早い復興を願います。

 2024年1月1日におきた地震で何もかもが一変してしまいました。道は裂け、ありとあらゆるライフラインも寸断されてしまいました。まだ、比較的金沢の被害は少なかったものの能登の被害は甚大でした。石川県菓子工業組合金沢支部菓友会でも何かできることはないかと、話し合いましたがあの時の状況では各自が水や食料品を支援する事しかありませんでした。そんな中、毎年上生菓子作り体験で講師に行っている小学校から地震で大変なときではありますが和菓子作り体験を子供たちにさせてあげたいと要望がありました。

 金沢市の3年生は授業の中で和菓子を学ぶという取り組みがあり、この暗い状況で子供たちに少しでも喜んでもらえればと了承致しました。

上生菓子作り体験

 金沢は茶道が盛んで和菓子にふれる機会が多いと思っていましたが子供たちに聞いてみると半数以上が和菓子(上生菓子含む)を食べたことがなかったり、日常生活であまり食べないと聞きました。先生や保護者の方と話していると、昔はおじいちゃんやおばあちゃんがよく和菓子を買ってきてくれてみんなで一緒にお茶を飲んだという話から今は離れて暮らしている事や和室がないからと生活様式の違いで和菓子を食べる機会が減ってしまっているのではないかとも聞きました。

 いざ上生菓子作り体験がはじまるとさっきまで静かにしていた子供たちがとても楽しそうに生菓子を作ってくれています。「初めて上生菓子作るげん!!(方言です)」や「先生みたいな形に全然ならんげんけどー!」とか逆に「先生のお店は大丈夫だった?」と心配してくれる子もいてくれました。なかには、今回の地震で避難をされているおじいちゃんおばあちゃんと一緒に暮らしている子も何人もいました。

子供たちから御礼の手紙

 後日、子供たちから御礼の手紙で読んでいると「美味しい!」や「避難してきているおじいちゃんとおばあちゃんと家族みんなでお茶をいれてはじめて和菓子を食べてみんな喜んでくれたよ!ありがとうございました」など書いてくれていました。

 今回いままでやってきたことではありますが、改めて子供たちに伝えていくという大切さを実感しました。和菓子を自分で作りみんなで食べて喜ぶ。このなんともないような光景が実はとても大切な時間だということ。またこの体験がきっかけとなりいろいろな和菓子を食べてもらえればと思いました。

 まだまだ復興には時間がかかります。その中で被災された方の心の支えになれるよう菓友会でも活動していきたいと思います。

 最後に全国から多大な支援をして頂きありがとうございました。

 石川県菓子工業組合金沢支部菓友会会長・吉橋太平

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