丸亀市 御菓子処 乃だや
自分のために、業界のために
現場です。心地よい秋風が漂うどころか、未だその勢力衰えず、まさに天超えず馬バテるの秋、神無月も後半に差し掛かり、神様もあまり残暑にそのままどっか行方不明になるのでは・・・というくらいの今日も朝からガッツリ日差し満タンクで蝉も秋の景色が見られたのではないかという10月後半のとある午後、久しぶりに美味しいネタが沢山ありそうな匂いがプンプンする丸亀市のお店「御菓子処乃だや」さんへ店舗取材に突撃訪問を決行♬住居の1階が店舗兼工場になっており、コンパクトな店舗でありながら、いざ中にお邪魔しますとなんという事でしょう♪和洋問わず様々な菓子が幅広く陳列されており、創業から作られている銘菓から冷蔵・冷凍商品、また季節の旬の商品や受賞商品まで見ていてワクワクするような品揃え。ここで日々、製造に奮闘しておられる親子さんを今回はご紹介、野田正さんとご子息の野田大晴さん。これぞまさに親子鷹。わたくしも乃だやさんとは同じ丸亀市でご近所でも御座いますので、ご子息が戻ってこられるまでほぼワンオペ製造で獅子奮迅されているお姿を拝見しているだけに、今回ご子息のしっかりして堂々たる出で立ちを拝見しますとほんとに安心の一言に尽きる、といったファーストコンタクトでした。
乃だやさんは創業昭和42年、今年で57年目を迎えられ、長年多くの丸亀市民に親しまれてきたお店。お父様は現在2代目でご子息が3代目、どちらも県外でしっかり長年下積み生活を積まれて様々な製法を習得されてお戻りに。ですので和洋幅広い商品が並んでいるのもうなずける。そしてなんと初代のお爺様はうちの店で修行されて乃だやを開業されたとか。こうなればもはや我々は血を分けたまさに北斗の兄弟も同然♪ これまで2代目がパンパンのスケジュールでこしらえてこられた銘菓の製造を今では3代目がサポートに入られたり、また最近では時代に即した斬新なお菓子を3代目が考案される際には2代目がサポートされたり、店を継ぐ者、そして継がす者、良い血の流れの関係性が出来上がっております。
~これからの菓子について~
店を継ぐ者として5年の長きにわたる修業から1年半前に戻られた3代目。未来を見据えて考え方、意見もしっかり持たれており、県内では早くもゴールデンルーキー登場といったところ。修業時代におかれては、数々の賞を獲得♬全国菓子研究団体連合会では第11回では技術コンテストでグランプリ、第12回、13回では金賞を受賞!ほかにも製菓技能士1級取得に「選・和菓子職」にも認定、多くの技術や賞を引っ提げて凱旋帰国♬寡黙な2代目はそこに関しては多くを語らず、笑顔も少なめではあるが、心の中では一番喜ばれているのではないかと・・・思いましたねん♪最近では香川県県産品振興課が毎年開催している「香川県産品コンクール」に初出品にして優秀賞受賞というまさに無双状態・・・最近の言葉に置き換えるならばまさにショータイム☆とはいえ先々の事を考えると課題も山積。これは全国どこの菓子屋でも当てはまる事ではありますが、技術が向上すればするほど華々しい作品が沢山出来る、しかし地元のお客様にこの製法、価値をどう理解して購入して貰えるのか。作品にかかる原材料費や技術費からして当然安価な値段では販売できない。普段から製造現場を開放し見てもらう訳にはいかず、可視化するには店舗改装や県内外に赴いて販売等をしようにも多額の費用が発生したり・・・。ただしある程度のラインまでは外に攻めるという事ではないが、店舗だけではなく県内外にも顔を出してアピールしていく事も大事なのではとも思う。こちら乃だやさんは売り上げのほとんどが店舗販売での売り上げで、たまに依頼を受けて外にも出たり商品を卸したりする事があれど、やはり店頭販売が肝になる。となるとお客様にも親から子の世代へ継承して頂かないといけなくなる。特に今の若年層から中間層にかけては様々な販売ツールがあるだけになかなか店舗に赴いて販売員と話しながら購入する光景が皆無に近い、もはや昔みたいに敷居が高いから・・・という理由、菓子離れあるあるではなさそうである。その世代に刺さる「魅力のある店舗」とはどういった店舗なのか、ある程度の定義づけが必要な時代ではあるが、和菓子はそもそも製法や技術だけではなく、文化も絡んでいるだけに簡単にはいかず、お茶を戴きながら話をしているとお茶も2杯目に突入。ただ、タフネスと実績バリバリを兼ね備えた2代目と将来性ドラフト1位の3段目の最強タッグであればこのような問題を解消し、これから更に凄みを増すのではないかと、間違いない♬同じ丸亀市に店を構える我が店もウカウカしていられない、今一度童心に戻り・・・違っ、初心に戻り、刺激を〝教師ビンビン〟に受けまくり地方から香川からパワーを注入するであります。全国の組合員の皆様、こうご期待であります♬季節の変わり目、どうぞ皆様、お体ご自愛下さい♡
香川県菓子工業組合青年部・桑田剛史