鹿島市 ひのでや
地域の伝統・素材生かした菓子店
ひのでやは昭和3年創業で現在3代目の中島要一郎と息子の栄三郎と4代続く菓子店です。鹿島市は佐賀県西南部に位置し東には有明海が広がり、西には多良岳山系に囲まれた自然環境にめぐまれたところで人口28,000人です。先代忠雄は戦後、創業者の要蔵より店を引き継ぎ丸ぼうろ、最中等の従来の和菓子店から洋菓子製造販売、菓子製造卸、冷菓製造販売、冷凍倉庫業など業務を広げました。
平成元年に旧店舗跡地に洋菓子専門店「ひのでや」を新装オープンしました。当店には50年以上前から続く菓子「むつごろう」があります。日本では有明海にだけ生息する「むつごろう」は干潟の上を飛び跳ねるユニークな人気の魚です。それを形にした「むつごろう饅頭」は人気で県内の主要駅のKioskで販売し、熊本や長崎の土産店まで販路をのばしました。後により日持ちの良い「むつごろう最中」に変わりましたが、20年前からは現在の「むつごろうサブレ」として佐賀空港、肥前鹿島駅、道の駅鹿島等で販売し、地元の土産として好評です。
8年前に現在の場所交通量の多い207号線バイパス沿いにカフェを備えた店舗「Cake & Coffee Hinodeya 」を新装オープンし、新たにジェラート、ピザ、ショコラなど商品の幅を広げています。15年前には地元の一ノ瀬畜産様とのコラボで「佐賀和牛ミートパイ」を開発しまし、佐賀の食材にこだわり佐賀県産の玉ねぎ、レンコンを使用した和風のミートパイに仕上げました。当時、口蹄疫被害の拡大で牛肉の販売が困難な時に一ノ瀬畜産の総務部長の一瀬仁美さんより「自社のブランド肉佐賀和牛を使用したミートパイを作って欲しい」との依頼がありました。当時はミートパイを商品化している情報など少く試作には苦労しましたが、佐賀県の食材を使い佐賀を発信する「佐賀のミートパイ」として開発し、東京都内のデパートなどでの実演販売も行いました。その後佐賀牛を使用した「佐賀牛ピザ」や「佐賀牛ハッシュドビーフピザ」を開発して、いずれもふるさと納税の人気商品になっています。地元鹿島には有明海の海苔、豊富な柑橘類、銘酒が揃う県内有数の酒蔵があります。これらの様々な地域の資源を使った「有明海 海苔パイ」、「オレンジマドレーヌ」、「吟醸純米酒けーき」や佐賀県産の米粉活かしたドーナツやクッキー、シュークリームなどの商品で鹿島らしさを出しています。
これからも地域の伝統や素材の魅力を広め、地域全体を元気づけるお店を目指します。
佐賀県菓子工業組合監事・㈱ひのでや代表取締役・中島要一郎
店舗データ
Cake & Coffee Hinodeya
佐賀県鹿島市中村825
社員14名、パート1名