㈱ざびえる本舗
ビジョンを明確に即実行
大分県を代表する銘菓の一つ「南蛮菓ざびえる」を製造販売する㈱ざびえる本舗は売上9億円を目標に掲げ一昨年の令和5年7月に生産能力の拡大に向けて約2倍の広さの敷地に本社工場の新設移転を行い、その翌年の1月10日に太田清利氏から後藤頼彦氏に社長が交代した。
後藤新社長は会社設立時から専務取締役を任されエネルギッシュに販路拡大等の営業活動に尽力した功労者であり、その一方で地元食材にこだわった新商品の開発にも携わってきた。齢62で満を持して引き継いだ成長企業の更なる発展を誓い今後の課題と目標について語った。
先ず売上に関しては就任初年度に販路を広げようと新規オープンの道の駅や新たに商社と契約を交わし某スーパーマーケット等への卸を開始したが惜しくも僅かに目標まで届かなかったので、今年度は目標を11億円に上げて必ず達成するよう自らを追い込んでいるとのこと。

そのために「やれることはとにかくやってみる」と商品とそのパッケージの見直しも行い馴染みのある定番商品はそのままに、気になる商品は時代に合った斬新なデザインも取り入れていく予定で、同時に販路を広げる上で差別化を図るためコンビニ専用の3個入り商品を検討し本格的な発売にむけて準備を進めているとのことだった。
次にネット販売事業を見直し、これまでより本格的なECサイトを構築し専門部署を作っての対応を検討中とのこと。
そして目標売上金額達成の鍵を握っているのが昨年発売された二つの新商品で、令和6年3月に発売された第一弾「Bungo」はチョコレート生地でラムレーズンを練り込んだ餡を包んだ南蛮菓子で現会長の太田氏が社長時に考案した商品で県産小麦を日清製粉が製粉した小麦粉トヨノカオリを使用している。
同年9月に発売された第二弾の「SANO」は二階堂酒造の梅酒用の梅から作ったピューレを梅餡でくるみ、更にホワイトチョコレートを練り込んだ生地で包み焼き上げた和洋折衷菓子で後藤氏が県産原材料にこだわり考案した商品と言うこともあり豊後梅を使用している。
両商品共に第28回全国菓子大博覧会・北海道の一般菓子審査に申込をしているのでどう評価されるのか今後の売れ行きと共に楽しみにしていた。
ちなみに商品名の「SANO」は現在社屋のある地域が通称「佐野」と呼ばれ自然豊かで四季を通じ人々が集う素晴らしい場所であり後藤氏にとっても愛着があり特別であることから、佐野を原点として気持ちを引き締めて再出発をすると言う想いを込めて名付けたとのこと。
その他にも経営上、時代の変化に伴い常に新たな問題と課題は見えてくるが各々の改善策を従業員と共に検討しながら、より働きやすい職場と魅力のある菓子を作るためにこれからも精進していくと高いモチベーションをのぞかせていた。
大分県菓子工業組合事務局長・早瀬大雄