饅頭発祥の地から世界へ向けて
㈱明月堂 "博多通りもん"

福岡市は、饅頭・うどん・蕎麦の発祥の地です。鎌倉時代の高僧 聖一国師が、1241年に中国から製粉技術を持ち帰り伝えたことから、粉物食文化が広まったとされています。
聖一国師が開山した承天寺には、それらの石碑が並んで建っており、博多駅から近いこともあり、多くの人が訪れる観光スポットとなっています。
福岡市に上陸した聖一国師は、親切にしてくれた茶屋の店主に、蒸し饅頭の製法を伝えたとされています。このような歴史背景からか、福岡市民はお饅頭が大好きです。
福岡市の博多では、中世の頃から豊かな町人文化が栄えていたそうで、その頃からそして現在も、この活気ある都市を創っているのは町の人たちだなと実感します。
166万人の大都市となった今は、特に若い世代が多く住んでいることや、インバウンド需要が拡大していることが活況を生んでいます。そんな都市の魅力を担っている一つが福岡の食文化です。

㈱明月堂が1993年に発売した「博多通りもん」は、福岡を代表する名菓で、2001年から、モンドセレクション連続受賞、2019年には、「最も売れている製菓あんこ饅頭ブランド」としてギネス世界記録に認定されました。
昭和4年(1929年)創業の㈱明月堂は、今から40年前には「博多西洋和菓子」のコンセプトを確立しており、「博多通りもん」はその集大成といえるお菓子です。しっとりと上品な白餡をミルクの香りの皮で包み焼き上げた饅頭は、「日本中どこにもない、日にちが経つほど美味しくなる、最高の材料でつくられたお饅頭」という掲げた目標を実現しています。
福岡を代表する庶民の祭り「博多どんたく」からつけられたネーミングも、博多へのこだわりが感じられます。福岡の人はもちろん大好きですが、福岡にお越しになった日本各地の方々や海外の方々、世代や国籍を超えて愛されている福岡には欠かせないお菓子です。
これからも、福岡を代表する企業として益々の発展と、皆が笑顔になる美味しいお菓子をつくり続けていくことを期待しています。
福岡市菓子協同組合事務局・野口登喜子