~長野菓青会~
設立から60年以上の歴史

長野菓青会の紹介をします。正式名称「長野菓業青年会」は長野市のお菓子屋さんの若手による団結と親睦、そして菓子業界の発展に寄与することを目的とした団体です。設立から60年以上の歴史があり、現在は隣接する須坂市のお菓子屋さんとともに活動を行っています。
かつては数十名規模の会員がおり、地元の夏祭り「びんずる」に連(チームのようなもの)として参加したり、野球大会に参加したりしていたそうです。先日倉庫の整理を行い、お祭りの衣装や野球道具が出てきました。お祭りの衣装はともかく、野球道具は朽ち果てていましたが・・・
最近は会員数が十数名と減少していますが、朽ち果てた野球道具とは違い、私たちは朽ちることなく活動を続けています。
会員向けの活動としてはメーカーや問屋さんにご協力いただいて、製菓材料や製法についての講習会を行っています。これは新たな発見のきっかけとなっており、実際私の店でも講習会で紹介された材料をいくつか採用しています。
また、最近では異業種の方をお呼びした講習会も開催しています。税理士さんによるインボイス制度についての勉強会や、靴屋さんによる立ち仕事の人向けインソール講習会など、今までとは違った新しい視点や刺激を得る機会となりました。
こうした講習会は、ある程度の会員数があってこそ開催できるもので、同業者団体である菓青会の存在意義の一つだと感じています。もちろん、勉強会のあとには楽しい懇親会も行っており、それも含めて「親睦」という菓青会の設立目的を実現するものとなっています。

外部に向けての活動としては、「夏休み子どもお菓子教室」があります。これは市内のホールで小学生を対象に、親子でお菓子作り体験をするというもので、新型コロナによる中止をはさんで7回講師として参加しており、どら焼きやおはぎ作り体験を行っています。
また、昨年は市内の中学校において、キャリア教育の一環として和菓子作り体験教室も実施しました。こうした活動を通じて、私たちにとっては日常であるお菓子作りが、小・中学生の皆さんにとっては新鮮で貴重な体験になっている事を実感しています。
初めにも書いたように、会員数は減少していますが、少人数ならではのチームワークの良さがお菓子教室などの場面で発揮されており、「団結」という菓青会の設立目的を体現しています。参加してくれた子ども達が未来のお客さんになって、もう一つの設立目的、「菓子業界の発展に寄与する」ことに繋がっていくことを願っています。
時代の流れとともに活動内容を変化させながら、「団結と親睦、菓子業界の発展に寄与」するべく朽ちることなく活動する会、長野菓青会の紹介でした。
長野県菓子工業組合長野支部・宮島佑季((株)卯月堂)