日本開国の町 静岡県下田市
『ロロ黒船』さん訪問

「第28回全国菓子大博覧会・あさひかわ菓子博2025」で見事、栄誉ある「名誉総裁賞」を受賞した静岡県下田市の「ロロ黒船」(3代目・山田勧氏)さんを訪問した。下田と言えば伊豆半島の南端で開国の地としてアメリカの総領事館が置かれ、ドラマや歌に唄われている「唐人お吉」でも有名な所であり現在も多くの史跡が現存している。現在は城山公園のアジサイが日本一の株数を誇り6月いっぱい「アジサイ祭り」が開かれ色とりどりの花が咲き乱れている。日本一と言えばあの赤く綺麗で美味しい「金目鯛」もこの下田が一番の水揚げである。海、港、山と風光明媚な所でもある。日本人はもとより、最近は多くの外国人の観光客が訪れている。お尋ねのロロ黒船さんは伊豆急下田駅から徒歩5分の位置にあり周囲には神社、銀行や市の「市民文化会館」など立地条件に恵まれた賑やかな所にある。初代は生まれ在所の郊外で「山田菓子店」を開業、2代目、収さんが中心街の現在地に昭和45年「ロロ黒船」を開業した。店名の「ロロ」はお菓子は口で召し上がり、美味しさの評判は口で伝わることから、「黒船」はご存知のとおり文明開化をもたらした黒船から頂き命名した。2~3代目共に非常に研究熱心で各地の有名菓子店を訪ね講習会にも熱心に参加して勉強されているのでこの名前がぴったりと納得した。

店の壁面には領事館が置かれた「了仙寺」所有の壁画が飾られ、店頭には日展の彫刻家が作成したペリーの胸像が置かれ開国のムードを醸し出している。ペリーには来客や通行中の観光客が撫でたり写真を撮っていかれるなど新名所になりつつある。お店に入ると可愛い鉢植えのお花達がそっと迎えてくれる。
ショーケースには季節のお菓子と色とりどりの郷土銘菓が塩梅良く陳列されている。中央の販売台には手頃な進物品が置かれお客様の導線も上手く工夫した配置であり商品説明も程よく飾られ丁寧な商品構成になっている。お菓子作りには下田の名所旧跡風土など郷土銘菓とその時代にあった味のお菓子作りを目指しており、パッケージにもこだわりお客様に楽しんでいただけるデザインを考えている。

今回受賞の「開国キャラメル最中」は黒船を模った最中皮にクルミ入りのキャラメルを詰めたもので洋風の新しい味の最中になっている。店舗も港町風情を感じる瓦葺でスタッフのユニホームも作務衣風の和風で店の雰囲気に合っている。取材中もお客様が途絶えることがなかった。
静岡県菓子工業組合顧問理事・(有)光来堂・森田紀
全国菓子工業組合連合会