各地の菓子店探訪
青森県菓子店の投稿

"食パンとラスク"

生活彩る商品作り

塩バターラスク

 「菓子工房 彩菓」の山口です。私の住む青森県佐井村は下北半島の西側にあり、津軽海峡に面した海と山に囲まれた人口1600人ほどの小さな村です。マグロで有名な本州最北端大間町の隣にあります。昆布、タラ、ウニなどの海産物が名産で、仏像のような奇岩の連なる秘境仏ヶ浦が観光名所となっています。すぐ側には仏ヶ浦への観光遊覧船乗り場、村の特産品を使った食事処など、観光案内所のある「津軽海峡文化館アルサス」があります。

 この小さな村でケーキ、パン、焼き菓子などを製造販売しており、観光でいらしたお客様にはこんな所に菓子屋があるのかと驚かれることもあります。店内には狭いながらもイートインスペースもあり、お買い上げのケーキ等にコーヒーをサービスさせていただいております。お店に並べている商品はどれもシンプルでわかりやすい物が多く、特別SNS映えするような物はあるように思えません。当店人気の食パンも流行りの高級食パンのような贅沢な味わいはありませんが、毎日食べても飽きのこない味で、地元の方にも、ちょっと遠方からのお客様にも柔らかくて美味しいとご好評をいただいております。最近ではその食パンを使ったラスクもじわじわと人気が出ています。6ミリ程に薄くスライスした食パンにバターと砂糖を塗ったシュガーラスク。25年前の販売当初は小学生でも手軽に買える物があれば良いと思い60円で販売しておりましたが、年月と共に値上がりし、いつの間にか大人がまとめ買いしていく商品になりました。甘くない物がお好きな方には塩バターラスクもあっさりとして食べやすく人気です。他にシナモンシュガーラスク、冬期限定のチョコラスクも販売しております。また下北地域では定番の、スライスした食パンにあんことマーガリンを挟んだ"あんバターサンド"もおすすめです。私のお気に入りはトーストして食べることです。小倉トーストとは違い、中にあんこがあるので火傷しにくい点が良いです。また食パンのみみは細長く切って塩を振り、ラスクのように乾燥焼きしたおつとめ品のような商品にし、自家製パン粉を作るなど余すところなく活用しています。

あんバターサンド

 過疎化が進み村内には商店が数少なくなってきております。少しでも長く商売を続けられるように地元のお客様に支えていただきながら、地味でも生活を少しでも彩れるような商品を作り地道に頑張っていきたいと思います。

 青森県菓子工業組合むつ下北支部・菓子工房 彩菓・山口沙織