各地の菓子店探訪
石川県菓子店の投稿

「彩霞堂」

加賀百万石の「昭和」を感じさせる名店

四代目・城戸口達也さん

お客様「こちらのお菓子をとある会合の景品として使いたいので、のしに『粗品』と書いていただきたいのですが?」
二代目店主「『粗品』?『粗品』とな?うちの大事なお菓子に『粗品』なんてございませんよ。お断りいたします」
お客様「え?え???」
「昭和」でございます。実に「昭和」の古き良き時代の、漫画やドラマで出てきたような頑固一徹エピソードでございます。

 今回はそんな名エピソードがひそかに語り継がれる加賀百万石石川県の隠れた名店のご紹介となります。

 石川県白山市旧松任市中心地区にそのお店はございます。

 白山市旧松任地域と言えば、石川県で和菓子屋を営む筆者の目線で言えば、金沢市や小松市と並んで全国屈指の和菓子処とされる石川県でも名店並ぶ激戦区と思われる地域でございます。

 その中におきましても確かで個性的な「異彩」を放つ「彩霞堂」というお店の紹介となります。

「彩」にこだわったお干菓子

 創業は1950年。今年で75年目を迎えることとなります。前述の頑固一徹二代目がお父様とともに創業、三代目は元美術の教師の経歴から彩霞堂へ婿入り、そして四代目の現在35歳、現役石川県菓子工業組合青年部メンバーである城戸口達也さんにお話を伺って参りました。

 代表銘菓は「千歳くるみ」。大粒の鬼くるみを和三盆糖の糖蜜でくるんだ品と格式と懐かしさを感じさせる名品でございます。

 そして「琥珀糖」、「越の富貴よせ」などいわゆる店名由来の「彩」にこだわったお干菓子がメインのお店となっております。

 いずれも伝統に忠実ながらも独自の工夫と「昭和」の頑固さと懐かしさを感じる名品でございます。

ショーケース

 お店の外観も内観もまさに「昭和」。流れの早いこの現代におきましてそこだけ流れがゆるやかに感じるような実に昔ながらの和菓子屋らしい雰囲気を感じることができます。

 お菓子作り、商品開発に関してはとても情熱的で研究熱心、商売に関しては「時の流れに身をまかせ」とばかりにゆったりと構えてますと語る四代目城戸口達也さん。

 謙虚で控え目ながらもしっかりと「昭和」の頑固さと意思の強さを感じさせる四代目。

 今後の石川県の和菓子業界におきましても確かな「彩」と存在感をますます発揮してくれると確信いたしましてますますのご繁栄を期待しております。

 石川県菓子工業組合青年部部長・神保賢史