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地域に根差して

「金次郎」の訓えと商品作り

尊徳饅頭

 饅頭屋には厳しい猛暑も落ち着き、彼岸の中日も終わり、これから決算の準備だと思っていたところの原稿依頼!断りたいと思いながらも、原稿用紙に向かう。

 栃木県の北西部に位置する日光市は合併により三つの菓子組合があり、その中の今市地区は21の菓子店があります。

 今市は江戸時代から日光街道、会津西街道、日光例幣使街道の交通の要で宿場町として栄えてきました。また、二宮尊徳「金次郎」の終焉の地であり墓石がある報徳二宮神社があります。

報徳二宮神社

 私の菓子店は長年、その神社に二宮紋の落雁をお供えしていました。元々饅頭屋だったため、尊徳に関係した饅頭を作りたい思いで、尊徳が開墾した土地で田んぼが豊富、土地柄「開墾の碑」、豊かな実り、米俵をイメージした饅頭を開発し、その商品が店の看板商品です。

 四季との結びつきがある和菓子、季節折々たくさんの菓子がありますが、私達の地域の菓子を少し紹介します。

 お盆のおはぎやだんごは多くで親しまれていますが、お盆前にお供えする菓子、「釜蓋朔日」のお話し。一般的に、あの世の釜の蓋が開いて、ご先祖様の精霊が冥土から、それぞれの家へ旅立つ日とされています。あの世からの道は、非常に遠く朔日(ついたち)に出発しなければお盆までに間に合わないと言われている。栃木県の一部の地域で「釜のふた」や「釜ぷた」とも呼ばれる饅頭があり、お供えしたり食べたりする風習があります。夏の暑い時期、あん菓子の売り上げが落ち込む中、販売促進のひとつとして取り入れてはいかがでしょうか。

 近年菓子店の取り巻く環境は厳しさを増している。原材料や光熱費、包材、さまざまな物が高騰し、特に地方の店は価格転嫁がし難くなっている。少子化、高齢化による人口減少で地域社会の弱体化など混迷を深める現在、先にお話しした二宮尊徳「金次郎」の訓えのひとつに「積小為大(せきしょういだい)」という教えがあり「毎日毎日小さな努力の積み重ねが大きな成果につながる」という意味です。その精神で厳しい時代を乗り切っていきたい。

 栃木支部・今市菓子組合副組合長・黒子尚利

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