視点を変えてみる。
干瓢ジャムで新商品 乙女屋
冷凍自販機導入 山本屋菓子店

栃木県第2位の人口にして観光地の少ない、小山市下野市野木町が我が支部になります。全国的には知名度は低いものの交通の利便性の良さ、東京都心まで新幹線で40分と近いことから、近年人口が増え続けている県南東部に位置し土地が平坦なこともあり農業も盛んです。
二条大麦六条大麦は全国トップクラス、栃木県としてもいちごは「イチゴ大国」と名乗り1968年から全国1位の収穫を誇り至る所にイチゴハウスを見る事ができます。
代表的なとちおとめを始め近年は「とちあいか」が店頭の多くを占め、大福を始めクレープ、ケーキ、ジャム等々今や菓子作りには欠かせないものとなっています。夏のイチゴの需要にもなつおとめが近年出荷されるようになってきました。
また干瓢の国内生産の9割を栃木県が占め、巻き寿司の具材、和え物などに用いられることの多い農産物ですが、大正元年創業の乙女屋3代目社長の渡辺政夫さん(現会長)がこれを何とかできないものかと試行錯誤の末に、ジャムにして菓子生地に注入し1992年に「るかんた」を発売。この商品は同店の看板商品になり第24回全国菓子博において名誉総裁賞を受賞するなど、今では4代目利之さんが更に中のジャムのバリエーションを広げ更なる飛躍をとげています。菓子を作る上で新たな視点を与えてくれる1品ではないかと思う。
もう1軒こちらは販売に工夫が見られる店舗です。山本屋菓子店は昔ながらの佇まいの和菓子屋さんと言ったところですが、黒糖生どら焼きが大人気のお店で絶えず行列が見られます。色んな物を販売出来る自販機がブームとなっていますが、3代目の三瓶雅史さんは「定休日にお越し頂いたお客様にせめて無駄足にならないように」冷凍自販機の導入を決め導入後はいろんな時間帯でご購入いただいているようです。冷凍で販売することにより消費期限が長く販売ロスも防ぐ新たな商売の在り方かなと思い小山市を代表する2軒をご紹介させて頂きました。
栃木県菓子工業組合尾山支部長・鈴木一弘