出雲あんこ旅2
スタンプラリー

出雲菓子協会では昨年に続き、2回目となる「出雲あんこ旅2~平田・斐川あん結び編~」を開催しました。このイベントは、出雲市内の和菓子店、洋菓子店、製パン店、飲食店が提供する〝あんこスイーツ〟を巡るスタンプラリーです。昨年は平田地区限定でしたが、今年は斐川地区にもエリアを拡大し、全16店舗・16種類のあんこスイーツに挑戦できる内容となりました。主催は出雲菓子協会と平田菓子同業組合、監修は日本あんこ協会(にしいあんこ会長)。開催期間は2025年10月1日~11月30日の2か月間です。
2か月間にわたるイベントということで日本あんこ協会と実行委員会で企画を練り上げ、スタンプ取得数に応じた景品など、参加者が楽しめる工夫を重ねてきました。ルールは至って簡単で、店舗であんこ系スイーツを購入し、スタンプをもらうというものです。
実は企画の前年、島根県内で初のあんこ旅として「津和野あんこ旅」が開催されており、私たちはその様子を視察しました。実際に体験してみると非常に魅力的な企画であり、「ぜひ出雲でも実施したい」と構想を進めました。日本あんこ協会へ出雲での開催を申し入れ、企画書を提出したことから本格的に動き始めました。なお津和野では観光協会が主催でしたが、出雲では菓子店の組織である出雲菓子協会・平田菓子同業組合が自ら主催・運営している点が大きな特徴です。
参加店の募集から始まり、参加店が決まると、店舗情報や写真、あんこスイーツの写真、地域マップ、周辺の観光情報など、パンフレット制作に必要なデータを収集しました。これらを日本あんこ協会に提供し、コンセプト統一やデザインの作成、告知ポスター、スタンプ台紙付きパンフレットの制作までご協力いただきました。

この「あんこ旅」の大きな魅力は、参加店舗をすべて巡りスタンプを集めた方に、日本あんこ協会認定の「平田・斐川あんバサダー」認定証が授与される点です。特にあんこ好きにはたまらない〝欲しくて仕方がない認定証〟で、コンプリートへのモチベーションになっています。
実際に昨年・今年と開催してみると、「隠れあんこファン」が多いことに驚かされました。「あんこ好き」と公言できる場が少ない中、このイベントでは「実は私、あんこが大好きで……」と嬉しそうに話す方、男性一人での参加も珍しくありません。また、日本あんこ協会の会員(あんバサダー、1万1千人)の方々が、イベント情報を聞きつけ、県外から、遠くは東京や宮崎からも来訪し楽しんでおられました。
さらに、近隣に住んでいても特定の菓子店にしか行かないという方が多い中、「初めて行く店だった」「気になるお菓子を見つけた」という声もいただき、新規顧客の掘り起こしにつながっていることを実感します。
パンフレットを手に来店されるお客様とは会話が弾みやすく、あんこ旅をきっかけに、周辺の観光施設の情報や飲食店を紹介するなど、観光へ誘導する仕組みとしても機能しています。これは、近年注目の「ガストロノミーツーリズム」にも通じる取り組みです。
コンプリートされたお客様は全店舗を訪れていらっしゃいます。店舗間での情報共有も自然と生まれます。お互いの定休日を把握したうえでお客様にアドバイスしたり、「あの店は休みがちなので電話してから行くと安心ですよ」と案内したりと、単なる〝お客様と店〟
という関係を超えたコミュニケーションが育まれています。
2年目となる今年は、昨年〝終盤で知って間に合わなかったので今年こそは〟とイベント開始から巡り始める方や、「あんこ旅2周目に入りました!」と宣言される方など、主催者の想像を超える楽しみ方をされる方もおられました。
出雲の菓子文化を楽しみながら、地域の魅力再発見にもつながる「出雲あんこ旅」。これからも地域に根ざした催しとして続けていきたいと考えています。
出雲菓子協会会長・來間久
全国菓子工業組合連合会