「すぐに役立つ新春の京菓子講習会」

令和7年11月25日(火)、愛知菓子会館にて愛知県菓子工業組合主催の和菓子講習会が開催され、48名が参加しました。今年は、全国菓子工業組合連合会を通じ財団法人日本豆類基金協会より助成金を受け実施しました。
講師には、京都の老舗和菓子舗・株式会社塩芳軒の代表取締役社長 高家啓太氏 をお迎えし、京菓子の魅力と技を存分に披露していただきました。
今回は、三千家でよく用いられる代表的な初釜のお菓子を中心に実演していただくとともに、その年のテーマを表現する勅題菓子についても紹介していただきました。季節感や茶の湯、さらに宮中行事と深く結びついた菓子の世界に触れる、たいへん学びの多い内容となりました。
今回の講習会では、以下の 6品 が実演を交えて紹介されました。
- 羽二重製 花びら餅
- 薯蕷製 常盤饅頭
- 金団製 都の春
- 求肥製 福梅
- こなし製 冬の明日
- 梅肉糖(マンゴー糖)
高家氏は、京菓子の魅力として「シンプルでありながら凛とした美しさ、侘び寂びの感性、引き算による美しさ」を挙げ、“菓子は仕上げに銘を付けて初めて完成する。銘を通して、お客様に季節や情景、物語をイメージしていただくことが大切”と語りました。さらに、菓銘にまつわる和歌や古典の言葉も紹介され、菓子に宿る文学性や物語性を深く学べる時間となりました。


実演では、作業の多くをあえて手作業で行う姿が印象的でした。フランス製の木ベラなど、既存の枠にとらわれない道具選び・発想が取り入れられており、高家氏ならではの菓子づくりを間近に学ぶことができました。
講習中には、塩芳軒の店の歴史や和菓子・饅頭の変遷についての解説も盛り込まれ、実技だけでなく文化・背景にまで踏み込んだ大変充実した内容となりました。参加者からは「京菓子の精神性を学べた」「すぐに仕事に活かしたい」などの声が多数寄せられました。
伝統を守りながらも革新的な視点を取り入れ、和菓子の未来へ挑戦し続ける高家啓太氏の姿勢は、参加者に大きな刺激と学びを与える貴重な講習会となりました。
今回の講習会は参加者にとって、技術面はもちろん、和菓子づくりへの向き合い方そのものにも大きな刺激を与える貴重な機会となりました。
全国菓子工業組合連合会