各地の菓子店探訪
山梨県菓子店の投稿

続く菓子店

時代に沿った商品づくり

菓子工房くるみや

 昨年、あさひかわ菓子博におきまして、優秀全菓賞をいただき名誉な年となりました。

 私はこの家に嫁ぎ四十年となります。義父母は糖衣がけの卸を生業としてきました。大きな金平糖の回転する機械の前に立ち、夏には四十度を超える中、和ぐるみ、落花生に砂糖の蜜をかけていく作業です。当時は明治生まれの祖母もおり、百年続く家業でした。

 主人の代になり、商品を直接お客様に販売したいと、阪神淡路大震災の翌年に、小売店「菓子工房くるみや」を開店しました。

 昨年受賞しました、〝黒糖くるみ〟、〝メープルくるみ〟は糖衣がけを活かした商品です。長年続けてきた家業の技術を評価していただけたことは、主人にとって感慨深かったことと思います。

 開店当時、県道沿いであるものの周辺は住宅やぶどう畑が点在する静かな環境で、お客様は来てくれるだろうかと心配しておりましたが、現在は向かいにコンビニ、近所にはスーパー、ドラッグストア、農協販売所と賑やかな街並みとなり、ご近所はもちろんのこと遠方からもご来店いただけるようになりました。贈答用のお菓子をお求めになるお客様も多く、先方様に喜ばれるとお聞きすることが私どもの励みとなっています。

 今日までの三十年の間には二人の娘も加わり、製造はもちろんのこと、新商品の開発、販売方法の工夫も担ってくれています。近年はペーパーレス、キャッシュレスと目まぐるしく変化する時代でもありますが、娘たちの力も借りて何とか食らいついている今日この頃です。また、自営業は何かとお店最優先の生活になりがちかと思いますが、営業時間を短縮し、月2回休業日を増やすなど、娘たちなりの「働き方改革」も進行中です。

 これまで長く続けてきたこの家業を、後継者がいることでこれから先も続けていけることを有り難く思っています。今まで通り、お客様とのたわいもない会話を楽しみ、自家製造にこだわりながらも時代に沿った商品づくりに励みたいと思います。

 山梨県菓子工業組合・菓子工房くるみや・市川百合子