各地の菓子店探訪
愛知県菓子店の投稿

人との出会いの菓子屋人生

プチフレーズ店舗

 今回のお店訪問は、令和7年度より愛知県菓子工業組合副理事長に就任されたプチフレーズの田辺悦朗さんを紹介します。名古屋市北東部、千種区茶屋ヶ坂に本店はあります。お店は名古屋市営地下鉄名城線茶屋ヶ坂駅すぐの好立地にあり、地域に根をおろした洋菓子店として繁盛しています。

待望の自店開店まで

 1955年10月21日名古屋市東区で生まれ。高校卒業と同時に大工職人の厳父の「途中であきらめるなよ」の言葉に押され、「てづくり」「手仕事」に興味があったので自ら希望して「青柳総本家」の洋菓子部門(フルール)に入社、菓子職人のキャリアをスタートしました。

 職場の親方との出会い、同僚の美知代さんと結婚、偶然知った菓子訓練校校長山川幸男氏の記事に感銘を受け会社に直訴して入校した菓子訓練校での、同じ道を志す仲間や熱心に指導いただく講師先生との出会い。私は人に恵まれたと田辺さんは振り返られます。

 1980年愛知県大府市の「みどりや」に移り、当時流行りの郊外の和洋菓子兼業店で和菓子の技術、販売方法を垣間見て、洋菓子協会の講習会にも参加、本業の洋菓子の腕により磨きをかけました。

待望の自店開店から名物「カリカリクッキードームシュー」誕生

 1986年5月、現本店の近く、東区砂田橋で独立。今年で38年。「夢が叶った日が来る」「好きなことをやっている喜び」を一身に感じたそうです。

 待望の開店をし、毎日が一生懸命。固定客づくり、売れ筋の把握など最初の3年は苦労しながらも好調、しかし5年目で頭打ちとなってきました。

 1995年ごろ、発売したクッキーシューが、徐々に口コミで広がりマスコミに取り上げられ人気商品への足掛かりになりました。

カリカリクッキードームシュー

 材料は当時まだ割高だった発酵バターを使い、カスタードクリームにこだわり、焼成方法も工夫して、かつ焼き時間を長くしザックリ食感を出し、オーダーを受けてからクリームを詰め、2時間以内に召し上がってもらうよう売り方にもこだわった。こんな3つのこだわりが人気を呼びました。多数のお弟子さんやスタッフにも恵まれ、「カリカリクッキードームシュー」をはじめ、名古屋コーチン卵を使った「かっちゃんプリン」や自慢の焼き菓子などで一躍人気店になりました。

 その後2001年に、名古屋の北の玄関口大曽根に喫茶付きの大曽根店、2007年、茶屋ヶ坂店を砂田橋店より本店を移転して開店。2008年茶屋ヶ坂店改装、工場拡張、カフェドフレーズ開店、その間イオンナゴヤドーム店出店と盛業を続けてきました。

愛知県菓子技術専門校のこと

 田辺さんは自店の経営、菓子職人としての研鑽とともに愛知県菓子技術専門校(認定職業訓練校)の活動に献身的に参画されています。

 自身も第6期訓練生(現在55期が在学中)として学び、のちに助手などで関わり永きに渡って参画され、誰もが認める菓子に対する熱心さ、誠実な姿勢を買われ副校長を経て2011年第5代校長に就任されました。

 この関わりが自身の菓子人生を大きく動かし、ここでの人との出会い、色々な取り組みを通じて学んだことが、言わば「お菓子が作ってくれた財産」となり自分の職業観を確立できたそうです。

 専門校では製菓教育の必要性と菓子業界への恩返しの考えのもと、各講師の個性を生かした質の高い授業を心掛け、次世代の菓子業界を担う人材を育つことを願っておられます。

これからのこと
プチフレーズ店内

 田辺さんは、組合の講習、専門校での製菓教育の必要性を感じてみえるそうで、「基本の基」の重要性、「ネットで取得できないリアル技術」の重要性を理解し、他店にはない僅かな差別化や数々の技術の源を技術講習会、専門校において実際に自分で学び取ってほしいとのこと。

 高級化ではなく、安心安全、なおかつ優しい、手作りで素材を生かしたお菓子作りをこれからも目指すと熱く強く語ってみえます。

 愛知県菓子工業組合広報委員会・佐藤嘉高

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