謙信公由来の「川渡餅」

新潟県菓子工業組合高田支部が、地元である上越市の冬の風物詩で縁起物として食べられる川渡餅をご紹介させていただきます。
毎年11月30日・12月1日の2日間に限り製造販売する、「あんころ餅」があります。「川渡餅―かわたりもち」と言います。
越後の武将であった上杉謙信公が川中島合戦の合戦前夜に餅を搗き、士卒に振る舞い、士気を鼓舞して川を渡ったという故事にちなんだものです。
春日山城下の高田と直江津の和菓子店では、謙信公の武勇にあやかるだけでなく、無病息災や子供たちがたくましく育つように願いを込めて、製造販売しております。
こしあんとつぶあんの2種類があります。川渡餅はあんこと餅のシンプルなお菓子ですが、お店により味が様々です。例えば、小豆を北海道産か丹波産を使用するのか、餅にこがね餅を使うか餅粉を使用するのかで出来上がりが違ってきます。そのため、あのお店・このお店と何店舗かの川渡餅を買い求めるお客様も結構いらっしゃいます。

川渡餅を製造販売する和菓子店には、同じ重さ、同じ値段で製造販売するようにしてもらっています。原材料が高騰しているため、令和7年の時には値上げをしましたが、お客様にご理解をしていただき、どの和菓子店も例年並みに販売をすることができ、ほっとすると共に、やはり地域に根付いているのだと改めて感じました。
川渡餅が何時頃から食べられるようになったかは、ハッキリと分かりません。80歳を超える和菓子職人に聞いても分かりませんでした。それがまた、1つの魅力かもしれません。
しかし、新潟県菓子工業組合高田支部が川渡餅の由来をPRし、地域に根付いた文化として受け継ぎ、販売日など製造のルールと共に味を守ってきた菓子組合連盟の和菓子店の努力により、この地域に根付いた「川渡餅」と言えます。
現在、和菓子店の店舗は年々経営者の高齢化等により減少しているのが、現状です。この様な伝統ある川渡餅をいかにして後世に継承していくかという事が、私たち和菓子職人に課された命題だと思っております。
以上、上越地区の和菓子川渡餅について書いてきましたが、皆様も是非川渡餅を食べに上越へいらして下さい。限られた2日間ですが、皆様の期待には十分応えられるかと思います。
新潟県菓子工業組合高田支部支部長・㈱竹内泰祥堂代表取締役・竹内勉
全国菓子工業組合連合会