群馬県菓子店の投稿
三桝屋麥(むぎ)落雁の由来
江戸時代から続く銘菓
三桝屋は江戸の昔より館林城の大手門前に在り麥落雁を造り続けております。
上州は、空っ風、冬はよく晴れ麦など豊かに稔るところです。
文政初年大麦を焙って粉にした麦こがしと四国で作られる和三盆糖を合わせてその香りと風味を生かした上品な菓子として造られております。
三桝屋は江戸時代秋元家の御用菓子舗であり麥落雁は将軍家へも献上されております。
館林には世界一のつつじの公園があります。800年以上の古木が多数ありシーズンには多くの観光客が訪れます。
明治19年5月皇太后皇后両陛下が行啓され、お買い上げの光栄に浴しました。
麥落雁は館林地方だけに伝わる銘菓と思っておりましたが、明治40年の東京勧業博覧会受賞者名簿に岐阜県大野郡高山町より麥落雁の出品があり同じ記念褒章を受章しております。
当店には今もこの賞状が飾られております。
いまでも高山では麥落雁が造られているのか一度尋ねてみたいと思っています。
現在は彩り豊かなお菓子が溢れておりますが麦こがしとお砂糖だけで作られるこの地方の名物の麥落雁を、これからも造り続けて行きたいと考えております。
群馬県菓子工業組合副理事長・大越正禎