各地の菓子店探訪
宮城県菓子店の投稿

オリーブをスイーツに!

商品開発で震災復興を

ケーク・サレ 宮城県南に位置し、温暖な亘理町、冬でも雪が少なく、気温は仙台と比べ年間を通して1~2度は違います。特産品は、「いちご、りんご、アセロラ等」の菓子の原料に最適な果物類と広大な田園地帯が広がり、海に近く、荒浜漁港で取れる鮭で秋期限定の「はらこ飯」(さけとイクラを使った丼物)が名物である。東日本大震災で5階建ての亘理町運営の「鳥の海」温泉施設が津波の影響により使用不可状態で、近くにはガレキの山も散在、見通しが良すぎます。風光明媚な景色がどこかへいってしまいました。

 そんな中、イタリアのトスカーナ地方が原産のオリーブの木200本が震災復興支援としてイタリアから亘理町に届きました。塩害を受けた田んぼに昨年植え付けしました処、今年の春には花が咲いたそうです。

 実がなるまで2~3年かかるそうですが、亘理町の斉藤町長は、早速オリーブの実やオイルを使った商品開発で「町おこし」をしたい旨のお話を商業関係者に伝えたそうです。

㈲渡部菓子店の二代目渡部安弘氏 そこで、㈲渡部菓子店の二代目渡部安弘氏が、早々に神奈川県にあるオリーブ園から、塩漬けにされたオリーブを取寄せて日夜研鑽努力の結果バウンドケーキを応用した、「ケーク・サレ」別名、塩ケーキ(サレは、塩を意味するそうです。)を開発した。甘さを抑えた生地にオリーブ、フレッシュチーズ、ドライトマトを使った絶妙なハーモニーを奏でる逸品が誕生。二、三年後には亘理産のオリーブの実を使った「ケーク・サレ」がお目見えすると思います。その時には、オリーブの実をふんだんに使えるのが楽しみですとおっしゃっておりました。

 大震災の直後は、渡部さんの工場は被害が少なかったようで、近所から井戸水をもらい煮沸して焼き菓子、パンを原材料が無くなるまで、毎日千個作り、避難者に喜んで貰いました、と話して下さいました。

 震災から一年九ヶ月になりますが、亘理支部で被災した組合員が関連業界の皆様のご尽力のお陰にてマイナスから営業を始めました。住まいは仮設住宅です。

 店舗で使う餅つき機、冷蔵庫がほしいね、と言う要望が届いております。使ってない機具がございましたらご一報をお願い申し上げます。

 宮城県菓子工業組合・佐藤あや子