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福岡県産イチジクを使った新たな菓子作り

とよみつひめを使ったお菓子 現在、福岡県菓子工業組合ではJA全農福岡県本部(JAふくれん)との間で県産オリジナルブランドイチジク「とよみつひめ」を使った新しい菓子作りを進めています。

 取り組むことになったきっかけは、福岡県食品産業協議会事務局長の鍛冶茂樹さんとの雑談からでした。

 今の世の中にはおいしいスィーツがたくさんあり各店とも独自商品を開発、価格・品質・オリジナリティなど、互いに切磋琢磨し、消費者に受け入れられる菓子作りに頑張っていることはとても良いことだと思っています。同時に組合として横のつながりを持ち、同じ目標に向かって取り組む仕組み作りが必要なことではないかと思いました。そこで、福岡県産農産物を素材に使い、将来福岡を代表するお菓子を組合でつくりたいと夢を語ったことからこの事業が始まりました。

 約三年前に、一次産業の素材を扱うJAさんと、我々組合、福岡県農林水産部園芸振興課、材料組合などの関係者約二十名が一堂に会し、初めての会議を開き、これ以後、新商品実行委員会を立ち上げ、毎月一回程度の集まりを行い、商品化に向けてのさまざまな話し合いを続けました。

 会議を続けていくうちに、全国的にも生産量が多く、県が知名度を上げようと取り組まれているイチジクを素材として選び、セミドライや、ペースト、イチジク餡など原材料の加工と、お菓子制作に試行錯誤を重ね、基本的な五品を完成させ、さらにそれぞれのお店独自の商品開発を進めています。

 福岡県のイチジクで一位の面積を占める品種にまで普及した「とよみつひめ」の育成地である福岡県農林業総合試験場豊前分場・果樹チーム長 姫野修一氏によりますと「とよみつひめ」は、海外から入ってきた「桝井ドーフィン」と国内在来種の「蓬莱柿」の欠点を克服するために育成したイチジクで、果形は卵形で果皮は赤紫色、果肉はち密で紅色、糖度は平均一八・八度と高糖度、とてもジューシーで市場で高い評価を得ているとの説明でした。

イメージキャラクター「とよみつ姫」 平成二十五年度に県の六次産業化推進事業費補助金(農商工連携、事業期間二年、補助金率=販促費などの二分の一)の対象に選ばれたことで弾みがつきました。また、今回の事業を印象づけるうえで重要となる商品名やイメージキャラクターは、県産イチジクのオリジナルブランド名と同じ「とよみつ姫」に決定、マスコットのデザインは、北九州在住の若い女性二名のデザイナーに依頼、笑顔がかわいらしい、イチジクの妖精をイメージして作られました。

 平成二十六年十月、商標登録も取得することができました。

 この取り組みを始めることにより、組合員の減少に歯止めをかけ、県内支部それぞれの連携が生まれ、また新たなアイデアが生まれることを期待しています。

 福岡には、全国的に知られているブランドいちごの「あまおう」があり、今回の「とよみつひめ」もますます飛躍し「王」と「姫」がこれからの福岡をリードするブランドに成長することをめざしています。

 福岡県菓子工業組合理事長・丸山道和

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