菊池「中原松月堂」
「お父さん、かっこいい!」を目標に
熊本県北部に位置する菊池市は、肥沃で農業が盛んな地域で、日本名水百選にも選ばれている菊池渓谷があり豊かな自然に囲まれた風光明媚な地域です。
そんな菊池市に「中原松月堂」はあります。
初代・中原敬之氏が隈府内の菓子店(山代屋)にて修行し、創業。
現店主の大松さんが大学卒業後、福岡のお菓子店で修行。和菓子作りをしているうちに面白さに目覚め、本格的に和菓子職人の道に入りました。
あんこは自家製餡にこだわっており、あんこを作るときは朝6時頃火を入れます。
使用する小豆は、北海道産の小豆のみ。小豆の場合は炊き上がりの色が重要です。中原松月堂のあんこは、きれいな薄紫色をしており、口に入れるとなめらかですっと溶けます。
白餡・黄身餡などは、北海道産手亡豆を使用。こちらもすべて、自家製餡しています。
商品はたくさんの種類がありますが、菊池を代表する銘菓「松風」や「松の雪」、菊池が誇る武将の名前を付けた「武光公」などは特に人気商品です。
そして、色とりどりの練りきりも季節に合わせていろいろな種類があり、ひとつひとつ手間ひまかけて作っています。
「和菓子は見て綺麗、食べて美味しいのが基本」とういう現店主は和菓子づくりについては常に勉強、いつもそんな気持ちで取り組んでいます。
また「子どもたちにも和菓子づくりに興味を持ってほしい」という思いから、様々なイベントで精力的にお菓子体験の講師を務めています。
新たな取り組みとして、菊池の農家の方に地域産業資源に指定してある「肥後小豆」を栽培していただいています。まだ少量しかお菓子に使用できていませんが、徐々に増えていくよう頑張っています。
菊池の商店街もここ数年店舗が減少、後継者不足が問題になっています。
4代目(現在幼稚園児)が大人になった時、親父の姿を見て憧れ、「カッコイイ」「家業を継ぎたい」と思ってくれるよう繁盛店にしていくことが今の目標です。
熊本県菓子工業組合事務局・野田尚美