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技能検定に立ち会って

お客様へのサービスに繫がる制度

技能検定試験 令和元年度後期の菓子製造部門の技能検定は和菓子部門が行われました。試験会場のIFC製菓専門学校(宇都宮市平出町)にて1月30日(木)、朝8時45分より試験上の注意事項説明に続き本試験が開始されました。

 今回、1級受験者3名の予定でしたが残念なことに当日病欠1名があり、40代男子2名の受験者となりました。国家試験のため県から審査員2名、組合から技能検定委員2名、補佐員1名、学校側から補佐員1名の立会いのもと進められました。試験内容1~4項目の課題。作業は各自練習の成果通りか問題なく、持ち時間3時間以内で終了しました。

技能検定試験 私たち栃木県菓子工業組合の場合、和菓子部門3名、洋菓子部門3名が検定員(それぞれ補佐を含む)として認定されています。組合事務所は案内窓口としてお手伝い、試験日以外私たちは説明役として立ち会っています。

 又、以前より検定協会からの要望として、全体受験生は3名以上が望ましいということがあり、私たち検定員は大体1年がかりで県内での受験生を募り、検定の意義を理解してもらい挑戦して頂く、検定に合格し仕事への活力や職歴のステップ・アップに役立ててもらい、特に若い後継者の方々には果敢に挑戦していただきたい、このような意味合いをも込めて声をかけてきました。

 検定には1級部門・2級部門があります。菓子製造の作業経験期間により受験資格が分かれます。工場責任者には1級、工場従事者には先ず2級の受験候補者として、打診をしています。毎年、5月半ば過ぎの頃から受験候補者を、県下の和菓子店へ組合を通じ一報を入れて頂き、詳細の要望があれば検定員が説明に伺う。このような形で検定準備してきましたが、受験者の人数が規定に達するまでには、時には数年を要する場合も多々ありました。

試験で制作した課題 ところで、栃木県の場合今回行われました後期技能検定が2級に限り、34歳以下の実技試験手数料が約半額の「9,200円」となりました。(学科試験手数料は現行のままの「3,100円」です)これはかなりの負担減です。これを機会に2級受験を目指す若き職人が増えることを期待します。合格者は実務2年後には1級受験の資格が得られます。

 さらに、1級受験合格者には「職業訓練指導員」になるための認定免許試験があり、この指導員は物づくりの事業所では配置することが勧められている制度で、各事業所においては従事者の相談役、作業場における労働衛生管理等、作業場の安全を見守る役目があります。一方個人的な仕事としては、県からの菓子マイスターの称号を受け、小・中などの課外スクーリングのお手伝い、高校の授業の一端としてのお手伝い、……「和菓子つくり」が身近なところで体験できる、そのようなお手伝いが出来るのも検定試験の御蔭と思っています。一度にすべてはクリアーできません。これらの制度を上手に利用して技術のグレードアップ、あるいは仕事への自信を広げてみませんか。お客様へのサービスにも繫がる制度と思っております。

 栃木県菓子工業組合理事・川又和博

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