株式会社 歌舞伎飴本舗
見て楽しい、食べて美味しい
全国でも数少ない「組飴」の製造元であり、愛知県を代表する組飴づくりの流通メーカーである、名古屋市西区の「株式会社 歌舞伎飴本舗」をご紹介させていただきます。
「組飴」とは、どこを切っても同じ絵柄が出てくる金太郎飴のように、非常に歴史のある飴ですが、その中でも歌舞伎飴本舗の組飴は、単なる飴ではなく、伝統工芸品として通用するような本格的な組飴を手作業により製造しております。
歌舞伎飴本舗がつくる組飴の代表作である歌舞伎飴は、昭和36年に名古屋市において開催された全国菓子大博覧会にて、みごと名誉総裁高松宮賞を受賞した時に出品した飴菓子です。
現在では、お菓子だけに限らず、そのような職人による物づくりが途絶えつつある中、職人芸を守り続け、継承し続けている、代表取締役社長近藤博司様にお話を伺いました。
父である先代の神谷春吉様が、昭和21年に実家である知多の寺本にて、納屋を改造した粗末な工場から飴づくりを始めました。そして翌年には、早々に現在の名古屋市西区に移り、その時に屋号をカミヤ製菓としました。
その後、非常に歌舞伎が好きだった先代の春吉様は、隈取りをした歌舞伎役者の顔を絵柄にして、組飴づくりをする事が好きでした。その先代の無類の歌舞伎好きが、屋号を現在の株式会社 歌舞伎飴本舗(昭和27年)に変更した、切っ掛けの一つであったとのお話をお聞きしました。
職人による組飴づくりと歌舞伎のお話から、古風なイメージを持たれる方々が多いのではと思われますが、手作りの職人の技と味の継承だけでなく、驚くことにおよそ30年前には既に、自社HP(ホームページ)を開設し、ネット販売の基礎をつくり始めております。今では、より幅広い消費者のニーズに応えられるように、お好きな絵柄で職人の技を堪能出来るように、あなただけのオリジナル組飴をお届けする事が可能となりました。
オリジナル組飴の最低ロット数は、決して少ない数ではありませんが、様々な色と味がありまして、味だけでも27種類から選ぶ事が出来ます。また、一個ずつ個包装にされていますので、景品や会社のロゴを入れて記念品として、顔や名前を入れて結婚式の引き出物等、アイデア一つで色々な用途で活躍出来る、独自の組飴を製造する事が出来るのも、歌舞伎飴本舗の強みです。(オリジナル組飴の詳細情報は、下記HPアドレスよりご覧ください)
近藤社長曰く、組飴は「まず見てかわいい(楽しい)が前提条件で、そして口に入れて美味しい」であるべきだと言われていました。最後に記者からの感想ですが、近藤社長がお話されている姿と組飴に対する姿勢が、お世辞抜きに誠実の塊に見えました。組飴でしたらどこを切っても「誠実」という絵柄が出てくるのではと思うほど。そして気付けば、オリジナル組飴の宣伝まで記事にしていた事に自分ながら驚いております。そんな近藤社長が今後もつくり出す、歌舞伎飴本舗の組飴に巡り合う方々が「見て楽しい、食べて美味しい」と思い、味わい、喜んでいただける組飴をずっと製造して、送り続けて欲しいと切に願いました会社訪問でした。
愛知県菓子工業組合・伊藤寿朗