高崎菓子まつり
分散型イベントで街を活性化!
私達高崎菓子組合は古くから組合主導の販売行事「菓子まつり」を行っていました。途中変化や中断を繰り返しながら、2014年「市民還元・お菓子の力で笑顔に」をコンセプトに復活させてからは、毎年行われる秋の一大事業として行政と一体になって街を盛り上げてきました。
ところが感染症拡大の影響をうけ、2020年は中止、2021年も今年こそはと実行委員会を立ち上げたものの夏に中止前提の延期の判断が下されました。
しかしながら市民の声や、行政の後押し、また組合内からでの議論を受けて、菓子屋としてできることはないかという想いが強まり、ついには「それでは感染拡大防止に最大限配慮した形で実行しよう」と菓子まつりの開催が決定しました。参加店を募り、各店舗で集客につながるような目玉商品を作り、開催期間を長くして、各店舗が各店舗を宣伝するような、そんなイベントです。他にもコラボ商品を企画したり、買い物特典を用意したりと、普段できないような組合員同士の横の連携を使った企画を立てました。それは今までの集客型から、各店舗への促すような分散型のちょうどスタンプラリーのようなイベントでした。
開催時期は年度の行事、今後のスケジュールもあり、秋も年末年始も過ぎた節句のちょうど忙しい時期となりました。店舗の参加数は多くはなく、同時に厳しい声もありました。とにかく時間がなく、短い期間で企画や調整、広報はとても大変でしたが、やる気のある組合員たちが色々な意見アイデアを出し、率先して仕切ってくれたおかげで、結果としてはイベント事業として形ある良いまとまりになって開催することができたように思います。
同時に広報不足は必至でした。お客さんは果たして来るのか、どこまで周知されているのか、開催まで、いえ、開催中も不安でした。状況が上手くつかめないまま修正もできないままあっという間に期日は終わってしまいました。広報不足を始めとして、結果目玉が少し弱かったこと、参加店舗を多くできなかったことなど反省点はたくさんあります。それでも参加店舗から、結果去年実績より売上が良かった、新規が多かった、などと話を聞くと、ああやってよかったんだなと思いました。またお客様から次はいつ?こういうのがないとね!などというお声もあり、次に繋げられる成果を得られたように感じ嬉しく思いました。
参加まで色々な意見がありました。組合員に利益がない、やっても意味がない。それでも実施しました。コロナ禍において、大変なのはお店もお客も皆同じです。経済的にも精神的にも疲弊していく中で、何が無事で何が駄目なのかを絶えず自分たちで考え判断し、ストレスを抱えたままそれを発散できずに過ごしています。利益という意味では微々たるものですし、逆に労力に見合わない部分もたくさんありました。それでも組合として何かができたこと、それに対して確かな反応があったこと、そして縁を紡ぎ次に繋げられる成果を得られたことは何事にも代え難く、お客様の声を頂いたとき、改めて菓子屋として「お客様のために」が実践できたことの喜び、また「市民還元・お菓子の力で笑顔に」の初心を取り戻せた感慨はひとしおです。一人ではできないことをみんなでやり遂げたことは全てに通じることだと、改めて認識できたことで、この世情を新たな気持で乗り越えようと思えるようになりました。
高崎菓子工業組合・小見製菓代表取締役・相川賀保