上州名物焼きまんじゅうと組合活動
群馬県のソウルフードの一つに焼きまんじゅうがあります。群馬を離れている人でも、一口食べるだけで、故郷を彷彿させる熱愛県民食。県内で知らない人はいないといっても過言ではありません。餅米と糀で発酵させ小麦粉でこねた生地を成型し蒸し上げ、(素まんじゅうと言われ、内部には餡などは普通入っておりません。)饅頭を竹串にさし、味噌だれを塗って焼き上げたものを「焼きまんじゅう」と言います。
江戸時代から食べられてきたとされる焼きまんじゅうは、群馬県は小麦の生産が盛んで、広く家庭でも食べられていました。それもあり、焼きまんじゅうの「元祖」となるお店が一体どこなのか、諸説ありますが前橋市にある1857年創業の原嶋屋總本家などが発祥であると言われています。150年以上の歴史があり、養蚕業や絹織物業が盛んな群馬県で繊維関係の商工業者間の交流で広まったとされ、田植え時など農作業の合間やおやつ時に買い求めたり、初市・花見・夏祭り・運動会・文化祭などの行事で必ずと言っていいほど屋台にならんでおります。また県内各地で製造され、群馬県民に熱愛される郷土菓子の一つで、最近では某テレビ番組ケンミンショーなどで焼きまんじゅうが度々報じられております。
群馬県内には数多くの焼きまんじゅう店が存在し、饅頭の中にあんこを入れているお店もあります。ちなみに県北部の沼田市周辺では「味噌まんじゅう」と呼ばれています。
また焼きまんじゅうの認知を目的に、平成21年に群馬県観光物産課が「焼きまんじゅうガイドブック」を作成しました。お土産スポットや県内のサービスエリアなどでは自宅で焼いて食べられる焼きまんじゅうも販売され、お土産にピッタリです。また最近では、上州名物 焼きまんじゅうのアレンジ商品。焼きまんじゅうマフィン、ラスク、パフェ、ドーナツ、アイス、プリン、パウンドケーキ、焼き菓子、フリアン等が出回り中々の売り上げがあるようです。
ここから上記の焼きまんじゅうに関連付けた前橋菓子組合の活動報告をさせて戴きます。
この3年、新型コロナウイルス感染症により前橋菓子組合員も多大な影響・損失を被りました。組合員の中には事業縮小や廃業した事業者もいます。
組合として活性化を図るため、名物となりえる新製品を売り出したいのですが、和洋菓子の商品の開発も個人店ではなかなか開発出来ず、たとえ新商品が出来ても市場への宣伝PRが出来づらいのが現状です。
そこで焼きまんじゅうのタレを使い、各事業所で色々な和洋菓子を開発して頂き、良い新製品が出来たら前橋菓子組合推薦・公認で市場に宣伝PRするという企画を行います。焼きまんじゅうのタレを使うという同じスタンスで望むため新製品が作りやすく、多種多様な製品・ある意味同じテーマで統一した製品が出来ると思います。8月下旬に組合で新製品の試食会を開催し、そこで組合推薦・公認を決定致します。多種多様な新製品が出来れば、販売会等も企画検討致します。良い新製品ができ、前橋市民・群馬県民に広く浸透・認知してもらえるよう願っております。
また組合では、近年暑さが早まるなか、自動車に乗ってくるお客様の大半が、お買い求められたお菓子の進物をクルマのトランクルームに入れるのを防ごうと認知してもらう為にチラシを製作しました。気温が25℃になれば炎天下にさらされているトランクルーム内は40℃以上になることがあります。そのため、5月節句の柏餅が傷んでしまうとのご指摘があり、またあらゆるお菓子に対応出来るよう、組合店で使って頂けるチラシにしました。今後とも菓子組合員並びにお客様に喜ばれる組合活動をしたいと切に思っております。
前橋菓子組合組合長・小野昌人