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和菓子と育成

時代に合せた後継者育成

練切り 一口に和菓子と言っても、多種多様であり簡単には言い表す事が難しいと思いますが、一番手っ取り早いのはあんこではないでしょうか。

 あんこは、団子、大福、最中、ぜんざい等沢山の商品に使われており、和菓子の代表と言えます。

 そんなあんこで代表される和菓子ですが、最近和菓子職人を目指す若者が目に見えて減って来ている様に見えて仕方ありません。このままでは、和菓子職人が減少の一途をたどって、やがては限られたお店しか存在しないのではないかと危惧されます。

 専門学校への入校者を見ても、和菓子を希望する学生は少なく、洋菓子やパンのコースを選択する学生が大半です。確かに洋菓子やパンは見た目が華やかなので、若い人にとっては憧れに近いものがあるものと思われます。そういう面では、若者の心を掴むインパクトがある催もの等の企画が必要となっているのではと思われます。

 また、和菓子の技術は練切り等一朝一夕に身につくものでなく、長年の修行と自身の鍛錬により身につくものですから、そこ迄の修行に耐えられるかが課題になりますし、和菓子の技術は高度なものであっても、中々見た目では分かりにくく、知る人ぞ知るという感じが否めない点と見た目の華やかさに於いて少しインパクトが足りないかなと。

 そして後継者育成で一番ネックとなるのが、時間外の問題です。一昔前であれば言葉は悪いですが徒弟制度の名残で、仕事が終わってから技術を教えたり学んだものです。特に指導する方は教えてやっているという考えで、教えてやっているのだから文句は言うなみたいな雰囲気だったと思われます。しかし、現代ではそのような考えは通らず、時間外労働についてはしっかりと払いなさい、また、労働時間は所定の時間を守りなさいというお達しが発せられ、教える側が逆にお金を払って教えるという逆転現象が生じる事になり、後継者育成に大きなネックとして立ちはだかる事になったのです。しかも、最低賃金は増加の一途で、何で時間外手当を払って迄教える必要があるのかとの考えがあります。

 このような状況で、どのようにして後継者育成を図っていくのかが、和菓子業界の課題と思われます。

 新潟県菓子工業組合専務理事・古川雅英

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