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山梨の月見だんご

伝統を守り支えていくのが使命

 周囲を山に囲まれた山梨県は古来より独特の食文化を発展させてきました。郷土食を代表とするほうとうや吉田のうどんなど粉食の料理が数多くあります。菓子に関するものでしたら「甘納豆の赤飯」や8月のお盆には、切り餅にきな粉と黒蜜をかけていただく「安倍川餠」も郷土食の一つでしょう。

 「中秋の名月」と言われる十五夜には月見だんごをお供えしますが、山梨県の和菓子店では十三夜と共に直径3センチくらいのあんこが入ったお団子を作ります。開店と同時に多くのお客様が来店され、予約を受けるほどです。お団子は1個90円から130円ほどで15個や13個では多いとおっしゃるお客様にはお好きな数で対応しています。

 中にはサービスでお供えするススキを用意したり、うさぎや月をあらわしたおまんじゅうを付けたりするお店もあります。お客様から「新しいカレンダーを貼る時には十五夜と十三夜には印を付けて、月見だんごを食べるのを楽しみにしています。」とお聞きしました。ふだん和菓子を召し上がらない方でも、月見だんごは特別のものなのでしょう。

 また山梨県の峡南地域では月見だんごとは別に春と秋の彼岸入りの日に「入り団子」彼岸明けの日に「明け団子」、彼岸の間はおはぎを販売しています。月見だんごより大きめに作り神棚や仏壇にお供えする習わしです。

 このように山梨県内で年中行事に使われる赤飯・餅・月見だんご等々の伝統を守り支えていくのがその地域に根差した和菓子店の使命であると思うこの頃です。

 山梨県菓子工業組合理事長・内田長久