各地の菓子店探訪
三重県菓子店の投稿

久住屋菓舗

地元で愛され続ける銘店

大はら木

 今回紹介するお店は三重県鈴鹿市にある「久住屋菓舗」様です。現在、4代目の、岡本克己社長にお話をお聞きしました。創業は文久年間という歴史が長いお店で、薄く焼き上げた生地に粒あんを巻き上げた銘菓「大はら木」は、長く地元の方々に愛されてきた商品となっています。

酒まん

 岡本社長は5人兄弟の次男として生を受け、三代目である父親から勧められてこの世界に入ることに。地元の菓子屋に3年間修行した後、東京製菓学校で菓子の基礎を学び直しそこで多くの仲間を作り帰郷。その後も学ぶことを続け、商業ゼミナールなど、作ることだけではなく売る技術もと、多方面に学びの場を求めて現在に至ります。

 三重県菓子工業組合では長く専務理事・副理事長を務め上げ後進の育成にも尽力されています。岡本社長の理解のもと製造の要である山下のの子さんは、三重県菓子工業組合青年部の会計の役を現在務めてもらっています。山下さんはもともと久住屋菓舗様の和菓子教室に参加し、この道を選んだとのこと。2017年の伊勢で行われた菓子博の販売ブースでも「大はら木」を店頭で手焼きするなどその力も確か。将来共に有望な人材といえます。

左から岡本凜さん、岡本克己社長、山下のの子さん

 そんな大勢のなか、自身の娘さんは嫁ぎ長く跡継ぎになる方が決まらない状態でしたが、岡本社長の孫にあたる岡本凜さんが5代目になるべく入社。現在、菓子作りから販売までを学んでいます。

久住屋菓舗

 4代目から5代目に。そしてそれをサポートする製造の要もと、若いチームに徐々にバトンタッチをしていく、歴史を重ねながら新しい組織作りに余念のない将来共に楽しみなお店です。

 全菓連青年部部長・岡本伸治