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工芸菓子講習会

「和魂洋才」で若手育成

洋菓子講習

 兵庫県菓子工業組合では、組合員の技術向上と洋菓子、和菓子職人の両分野の若手の育成を図るため、平成26年度より工芸菓子技術講習会を開催しています。今年度はコロナ禍の影響で3年ぶりに、至る令和5年2月7日に神戸市立灘区文化センターにて開催しました。

 これまでは、『和』に特化した工芸菓子を中心とした講習会を開催してきましたが、今回から「和魂洋才」のテーマで洋菓子の分野から現代の名工である高杉良和氏(本高砂屋)講師としてお招きしました。

 和の分野からは、和菓子の現代の名工である小竹睦夫氏(二つ茶屋)のご両名にご教授戴きました。

 洋菓子の講習は、今回のテーマにもある様に「和菓子に洋を取り入れたお菓子」として、ガナッシュに漉し餡を混ぜサンドしたオペラ、次に抹茶羊羹に包まれたブラウニー、最後に和栗と粒餡をあしらったトリュフの3品を製作・実演して頂きました。

 元来、フランス料理のシェフをされて、そこからフランス菓子製作の道に入られた高杉氏の豊富な経験と、数々のコンクールに挑戦され多数入賞された秀逸な技術を間近でご教授頂き又、和洋菓子のそれぞれの専門店の立つ者としてたいへん学びの多い講習でした。

和菓子講習

 和の分野の工芸菓子の講習では「有平糖」を講習頂きました。洋菓子と和菓子では、同じ飴菓子でも材料や作り方も異なり、改めて和の分野の有平糖、洋の分野のチョコレートそれぞれの製作過程での温度管理の重要性とその難しさを実感しました。また、洋菓子職人の方は、「和」の飴の有平糖に関して興味を持たれ熱心に質問され、 和菓子・洋菓子のそれぞれの専門店の職場に立つ身として有意義な講習会になりました。改めて言うまでもなく、人の気を感じながらお話を聞く喜びに浸ったひと時でした。

 本講習会が、コロナ禍において3年にもわたる流動、人流の制限により経済的にもダメージを受けた菓子業界に、そして2022年2月24日に始まったロシアのウクライナ侵攻に起因する物価高騰という様な波の様に襲ってくる現在の世相で職を極めた方のお話を聞くことにより、少しでも光のあたる場を探しつつ和・洋菓子を生業として一生懸命働く皆様の一助になれば幸いです。

 ようやくコロナ禍からウイズコロナへと移行する社会で、新しく始まる場面へ会いに行きたい…お菓子を携えて。

 兵庫県菓子工業組合副理事長・岩崎典治

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