栃木県菓子店の投稿
高林堂
四輪駆動の経営
我が社は明治18年に創業し、昭和33年に創業者の小嶋家が家業を継ぐ後継者が無く、近くで「和光」という和菓子屋を営んでいた私の父が高林堂で修行をしていた関係で、老舗の暖簾を絶やすのは忍びないと後を継ぎ、昭和の厳しい時期に現代の店の基盤を苦労して作り上げ、昭和58年、私が35歳の時に63歳で若くして他界し、その後私が32年間に会社を拡大して、6年前息子に社長と経営権を譲りましたが、息子夫婦には子供が3人おり、一番下の子供が昨年小学校2年生になりやっと親離れもして、嫁も本格的に会社に従事し、私達夫婦と息子夫婦が会社に全力投球できるようになり、「四輪駆動」の会社経営になりました。長い人生の中、親子夫婦で商売に従事できる幸せはそう長くはありません。このような時期が少しでも長く続きますように健康に気を付けて参りたいと思います。
しかしながらここ十数年、自然災害、コロナ感染症と苦難の時期が続き、会社経済環境が変化し、菓子店に限らず食品製造小売業界では、事業承継が減少している状況を考えると、喜んでばかりはいられません。なぜ業界が若い世代に魅力ある業界でないのか、どのように改革すれば異業種のように短時間労働で高い給与を払えるのか、我々世代が対応し、改革しなければならない時期にあったのに、出来なかった。しかしながら新しい時代の人たちには、新しい感性と行動力で今の時代を乗り越えていくことが出来るのではないか期待しております。今、我が社では新旧夫婦4人と若い従業員のモデル作りを頑張っております。
栃木県菓子工業組合宇都宮支部長・和氣幸雄