きぬの清流
半世紀以上愛され続ける観光土産菓子
当社は、栃木県の鬼怒川温泉で観光土産菓子の製造卸を営んでおります虎彦製菓株式会社と申します。ここ鬼怒川温泉郷は鬼怒川上流域に位置し、かつては箱根や熱海と並んで「東京の奥座敷」と呼ばれた関東有数の温泉街です。少し足を延ばすと、歴史的文化遺産を有する日光、自然豊かな避暑地の那須がある、関東屈指の観光地でございます。
当社の主力商品は「日光国立公園銘菓 きぬの清流」です。誕生は、高度経済成長期を迎えて間もない1956年。創業者の林虎彦さんが、鬼怒川温泉の名物を作りたいと思案しているとき、鬼怒川の川面に映る月影にインスピレーションを受け創作されたと聞き及んでおります。「きぬの清流」完成当初は、鬼怒川温泉内で数件の旅館にリヤカーで運んでおりましたが、現在では栃木県内200件を超えるお得意様に納品し、生協宅配では全国にお届けいたしております。
「きぬの清流」は2枚の焼皮で小豆餡を挟むというシンプルなお菓子ではありますが、この焼皮を生産するのが大変。小麦粉と砂糖を全卵だけで練りあげて薄く延ばした生地を型抜きし、厚さ0・6㎜の銅板をコンベア状に張った上で両面を焼き上げます。火力は合計45個のガスコックで調整しており、その日の気温や湿度に応じて職人が微調整を行っております。銅板は薄く数カ月で切れてしまうため、そのたびに職人さんが銅板を張り替えるという、大変手間のかかるお菓子ですが、創業当時の味を守るため製法を変えずに作り続けております。
半世紀以上に亘り、「きぬの清流」を作り続けてきた和菓子屋ですが、洋菓子を好まれるお客様に喜んでいただけるよう、2020年から洋菓子開発にチャレンジしております。イタリアの伝統菓子ビスコッティやクッキーを商品化し、100件を超えるお得意様にご愛顧いただいており、日光鬼怒川温泉の新名物として大切に育てていきたいと考えております。
2023年7月15日から、東武鉄道新型特急「スペーシアX(エックス)」の運行が開始されました。33年ぶりの新車両導入ということもあり、注目度も高く、日光・鬼怒川温泉では集客の期待が高まっております。皆さまも是非、新型特急で日光・鬼怒川温泉にお越しいただき、雄大な自然と歴史的文化遺産をご堪能ください。お待ち申し上げております。
栃木県菓子工業組合鬼怒川支部・虎彦製菓株式会社統括本部長・吉原史明