各地の菓子店探訪
東京都菓子店の投稿

㈱キヨスミ製菓

心の和む菓子作り

㈱キヨスミ製菓 店舗

 東京都台東区でおこし製造を昭和8年から行っている㈱キヨスミ製菓です。

 当社は創業者である加藤留蔵が千葉から浅草柴崎町の鉈金商店へ丁稚奉公した際におこし製造を習ったことに端を発しており、戦後に東京都台東区に本社と工場を構えました。

 現在は足立区梅島に工場を構え、当社の主力商品である「福豆太鼓」をはじめとした様々な商品の製造を主軸にしています。また、町中にある工場ということで少なからず地域の方々に還元したいと考え、毎週木曜日には工場にて形が崩れたものなどを格安で販売しています。工場での販売は非常に人気が高く、多くの方にご好評いただいています。

 また、2020年より台東区浅草仲見世に当社初となる店舗をオープンしました。こちらでは通常卸している商品や工場直売の物とは全く違う店舗のみの商品を販売しています。当社は創業時より製造業に注力していたのですが、今までお世話になってきた浅草への恩返しや今よりも地元に根付いた企業になっていくためにも店舗を持つなら仲見世にという思いから出店しました。当社では店舗を会社として新しいステージに進んでいくためのチャレンジの場と考えており、店舗の従業員には自分たちでお店を展開していくような自主性を求めています。既存の会社にある枠組みに縛られずに新しい発想を自由に表現できる場として㈱キヨスミ製菓ひいてはおこしの可能性を見せていきたいと考えています。

㈱キヨスミ製菓 工場

 当社は今年2023年で創業91年を迎えました。小規模ながらも世間一般的には老舗と言われる段階に入ってきて会社としても創業当時より受け継いできた「心の和む菓子作り」という精神を今一度確認し、正しく将来につないでいきたいと考えています。そのためにも事業規模の拡大や店舗の如何によって根本の精神が揺らいで行かないように社員の教育に力を入れていくことで、それぞれの価値観の形成や会社内での情報共有の強化など基礎的な部分を見直すことによってより良い形で100周年を迎えられるように邁進していきます。

 東京都菓子工業組合理事・株式会社キヨスミ製菓・代表取締役・加藤太一郎