後藤福進堂
声無して 人を呼ぶ
創業から140余年。当店は秋田角館の城下町に店を構える和菓子屋です。
人気商品は「金柑饅頭」と「羊羹」。また、季節に合わせたレパートリー豊かな和菓子も人気です。
金柑饅頭は柑橘の爽やかな風味と酸味、そしてあんこの甘さが調和した美味しいお饅頭です。特に人気のあるこの商品は店主一人の手によって作られているため一日に限られた個数しか製造できません。そのため予約は必須。羊羹には手軽に食べられる「糸切り桜皮羊羹」から栗を贅沢に使用した「栗羊羹」まで、お好みに合わせてお選びいただけます。
後藤福進堂の創業者は元々貧しい車引きをしていたそうです。ある日もち米と小豆を貰ったことをきっかけにおやきを家の軒先で売ったのが店の始まりでした。そこから今でも定番の「羊羹」と「最中」が生まれ、140年以上経った今でも愛される商品となりました。
1番人気の「金柑饅頭」は約35年前に作られた商品で、北は北海道、南は奄美大島から予約が来ます。
先代から受け継がれた味を保ちながらも、時代とともに変わってゆく人々の口に合うよう日々試行錯誤しています。
全て手作りにこだわり、当店の羊羹などは仕込みから店頭に出すまでに三日を要します。
もう一つのこだわりとしては、餡の練り方。季節で変わる気温や湿度に敏感に対応し、練る際の火加減や時間を細かく変え、徹底的に味にこだわっています。
見出しにした文は、当店の2代目が詠んだ「声無して 人呼ぶ 本煉羊かん」の一節です。広告や宣伝などの「声」ではなく「味」で人を呼ぶような和菓子を作る、をモットーに続けてきました。
武家屋敷通りの裏道にある当店へわざわざ足を運び来店してくださるお客様、そして遠くからご予約くださるお客様にこれからも愛し続けていただけるよう精進してまいります。
後藤福進堂五代目店主・後藤将人