各地の菓子店探訪
栃木県菓子店の投稿

日光市 さかえや

和菓子売るキッチンカー

キッチンカーで和菓子を販売

 移動販売というと、みなさんは何を連想されますでしょうか?「いーしやーきーもー」という掛け声でやってくる石焼き芋屋、

 「とーふー」と聞こえなくもないラッパの音を鳴らす豆腐屋でしょうか。私は「ホットドックとアイスクリームの・・・お店です」という謎の間がある移動販売車が思い出深いです。(東京の東部を中心に販売してたそうです)そんな今回は移動販売といいますか、キッチンカーの話をさせて頂きたいと思います。

 揚げゆばまんじゅうをキッチンカーで売る。そんなことをしているのが、日光駅前にお店を構える、さかえやである。

揚げゆばまんじゅう

 元々は食堂や土産物を中心に商いをしており、後に日光を意識したまんじゅうを作りたいという思いから、ゆばまんじゅうを商品化。

 その後、「ゆばまんじゅうを揚げてみたら」という常連客からのアドバイスをヒントに、揚げゆばまんじゅうの誕生となる。

 そんな揚げゆばまんじゅうを開発したのが、山本敏現社長である。小学校から大学までアイスホッケー漬けの生活をしていた、熱血漢あふれるGKは私の信頼する・何でも相談できる先輩です。

 そんな彼が何故、キッチンカーで揚げゆばまんじゅうを販売しようと思ったのか。きっかけは東日本大震災だったと聞いた。

 観光地日光は震災の後の風評被害の煽りをもろに受け、1日最大3000個以上売っていた揚げゆばまんじゅうが10個しか売れない日もあったとのこと。このまま、観光客の回復を待つよりも、自ら商品を売っていこうと考え、キッチンカーでの販売を思いつく。

 和菓子をキッチンカーで販売するということは当時珍しく(今も珍しいと思います)、各種の新聞・メディアに取り上げられることに。

 その後、現在でもイベント出店をメインにキッチンカーで揚げゆばまんじゅうを販売しています。出来立ての揚げゆばまんじゅうを食べて欲しいという想いを持って。

 そして、揚げゆばまんじゅうの魅力をもっと多くの人たちに届けたい、その心を持って色々な場所で販売していく。

 日光は今、コロナ後の観光客の回復、特に外国の方々がコロナ前より増えているとのこと。山本社長のことなら外国の方向けに魅力ある商品を作るだろうし、今後はそちらをターゲットにするのか聞いてみた。答えはもちろん、そちらをターゲットにした商品を作っていくとは思うが、本質はそこではないと。

さかえや

 さかえやはまず、100年企業を目指していきたい。そのために、「日光といえばこの菓子」と言われるように、これからも努力していきたいと。

 謙虚な中にも熱い想いを持つ、熱願冷諦な山本社長。そんな熱い想いのこもったお菓子を日光に来た際にはぜひ、さかえやに立ち寄って実食して頂きたい。

 全菓連青年部関東・甲信越ブロック長・齋藤隼人