御菓子司 喜月
創作和菓子の専門店
小田急線の新宿と箱根の間にある本厚木駅。改札前のターミナルに出て3分ほどの所に「御菓子司喜月」があり、ショーウィンドウに並ぶ和菓子たちが道行く人を店内に誘っているような明るくゆったりとした雰囲気のお店です。
店主は一級和菓子技能士の内海政明様。昭和29年先代のお父様が創業し、内海様は二代目。日本菓子専門学校にて学び、東京で修業、そして「喜月」に入りました。
店舗の2階の工房はとても明るい部屋で、伺ったときは社員さんが可愛いお菓子を作っていました。この人は日本菓子専門学校出身で、修行に来る方もみな同窓生だそうです。
工房で見せて頂いたのは初代から使われてきた番重で今でも使っています。
「創作和菓子喜月」では機械化が進む今日、今でも「手作りの和菓子」を作っています。店内にも可愛いお菓子がいっぱい並んでいました。また、のし餅も搗いたもち米を手でのしてビニール袋に1枚ずつ入れて作り、毎年200枚ぐらい作っているそうです。
店のショーケースには四季の上生菓子を中心に数多く並んでいました。「鮎もなか」は白餡が詰まったきれいな姿でケースの中に、「あつぎの里」は厚木の自然をイメージした柔らかくフワッとした生地の中には白餡に包まれた大粒の甘露煮の栗が入ったお饅頭です。
まだまだ、その季節に応じたものが並びます。こうした和菓子は地元の人にも喜ばれ、お客様とともに歩んできた68年間の伝統を守り続けながら、またそこに新しいものを取り入れながら新商品を作り上げていく店主様の意気込みが感じられます。
そして、その基にあるのは、「㈲喜月」のモットーが二つ。一つは「手作りの和菓子を!」、二つ目は「店が開店の時には全ての商品を並べて」。
内海さんのこれからの抱負を聞きました。今までに20回以上和菓子作り体験教室をやってきたけれど大人が対象だったので、今度は小学校6年生の講習会をやりたいと考えているとのことです。なるべく多くの子供たちに創作や手作りの和菓子を教えて頂きたいと思います。
神奈川県菓子工業組合事務局・中山尚子