家康公が愛した中原宿で商う
「たかはし」


本日は平塚駅から中原御殿行きのバスに乗車し創業五十五年の御菓子司「たかはし」にお邪魔致しました。お店に入ると真正面に飾られている「千客萬来」の看板が印象的な「たかはし」さんは二代目店主の資晴と奥様でお店を切り盛りされています。この中原地区自治会や町内会に入っている方が多く地域の行事にも「たかはし」さんのお菓子は欠かせない一つになっているようです。一月十五日開かれるどんど焼きは年神様を見送る火祭りで竹の先に赤白緑の団子を刺し無病息災を願いながら火の周りで焼いた団子をみんなで食べる風習のようです。この時の三色団子四千五百個(上新粉四十キロ分)をご夫婦で作り収めるそうです。凄いですね。この行事が終わると地元の農家さんが作った採れたての苺を使ったいちご大福が並ぶのをお客様は楽しみにしているようです。五月には大名行列のお祭りがあり、九月の敬老会ではお祝いの品物を「たかはし」さんともう一店舗の和菓子屋さんで大きい町会は受けるそうです。一番忙しいのは暮れのお餅つきで店の注文分とお米屋さんからの注文もあり現在は機械を導入し作っているそうです。1年を通して地域に密着したお仕事をされているのが伺えました。またお店の代表銘菓の「御殿」は桃山生地で上品な甘さで上に葵の押し印があり中に栗が入っている一品。「笹の香」は平塚の七夕をイメージして外郎生地に熊笹の粉末入れた上品で爽やかな一品です。実は「たかはし」さんの近くに大きな緑の公園があり、公園内にはJリーグ湘南ベルマーレのホームスタジアムがあるのでサポーターの皆さんが試合前に立ち寄り買っていく方も多いそうです。私がお邪魔した日も代わる代わるお客様が来店して地元はもちろん多くのお客様に愛されていることがわかりました。これからもご夫婦で美味しいお菓子を作り続けてください。

神奈川県菓子工業組合広報部・亀岡肇