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これからの大阪経済の発展に向けて

令和6年新年互例会

 大阪府菓子工業組合では、去る1月22日(月)リーガロイヤルホテル大阪「山楽の間」において令和6年新年互礼会が盛大に開催されました。本会に先立ち、関西大学名誉教授、大阪府立大学名誉教授宮本勝浩氏をお招きして講演会を設けました。以下、その内容をお伝えいたします。

 タイトルは「これからの大阪経済の発展に向けて~阪神タイガースと経済効果」。まず、2024年の世界経済の展望ですが、ロシアのウクライナ侵攻よりイスラエル・パレスチナの衝突、アジアでは北朝鮮の挑発や中国の周辺への圧力など世界情勢がだんだんときな臭さを増してきており、必然、世界経済への悪影響もより大きくなりつつあります。IMFが発表した2024年の主要国成長率。予想も軒並み1%を切っており、世界経済の停滞が懸念されているところです。

 一方、国内では近年、一人当たりの県民所得のデータを見ると関西経済の落ち込みと停滞が特に目立ってきております。早急に対策を講じないと、このままでは大阪経済の衰退は止まらない状況です。そこで、関西経済活性化に向けての提言です。

1、外国人観光客の誘致について
 コロナ明けでようやく戻りつつありますが、彼らに単に爆買い等を期待するのではなく、海外の人たちが何を求めて日本にやってくるのかを正確にとらえる必要があること。日本は親切でルールを良く守り、安心、安全の国であるという我が国の良さを認識してもらうことを前提としてモノやサービスを考え、企画していくことが大切である。

2、製造業の育成
 他所から仕入れたものを売るだけではダメで、重要なのは「ものづくり」であり、その地域のものを使い、その地域独自のものを生産するというソフトとハード両面を両立させた商品を売ってこそ地域の本当の活性化が進むということ。

3、関西独自の独創性のある品物やサービスを提供
 他にあるもののマネなどではなく、関西発のユニークで独創性の高い、魅力ある品物やサービスを生産、提供すること

4、IT化の促進の必要性
 他国に比べ、デジタル化、IT化が、大きく出遅れているのが実情。官民挙げての推進が急務であること。

5、在阪球団の優勝
 昨年は、セ、パ両リーグにおいて在阪球団がともに優勝、日本一の座をかけて阪神、オリックスが激闘を繰り広げたのは記憶に新しいところ。その経済効果も絶大なものでした。ともに実力も充実し常勝軍団になれば更なる経済効果が期待できるだろう。

6、大阪、関西万博の成功
 建設費用の膨張、工期の遅れや国民の関心の低調さなどが問題になっているが、その経済効果は2兆円をも超えると予想され、国の威信をかけて成功させる必要がある。このような大イベントの経済効果には、準備における投資や工事などの効果、および会期中の来場者たちの消費による効果だけでなく、終わった後にやってくる「レガシー効果」というものがある。そこで披露された真新しいもの、最先端の科学技術などが社会に拡散し、更なる進化を遂げて、未来の私たちの豊かな世界を生み出していくという効果です。

 以上のようなことを念頭に置いて、関西経済の復権へ向け、たゆまぬ努力を続けて頂きたい、と締めくくられた。

 大阪府菓子工業組合副理事長・中野幹

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